小僧さんの雲水日誌です。

【第二章 二節】 慣れ始め
法要での初めての香灯 四月八日には「降誕会」というお釈迦様の生誕を祝う法要がありました。誕生仏と呼ばれる生まれたばかりのお姿のお釈迦様の像を祀ります。法要の準備の際はメモを取り、先輩についていくだけで精一杯でした。この時...
小僧さんの雲水日誌です。
法要での初めての香灯 四月八日には「降誕会」というお釈迦様の生誕を祝う法要がありました。誕生仏と呼ばれる生まれたばかりのお姿のお釈迦様の像を祀ります。法要の準備の際はメモを取り、先輩についていくだけで精一杯でした。この時...
開山祥忌 四月三日、萬福寺で開山祥忌という大きな法要があります。日本に黄檗宗を持ち込み、萬福寺を開いた隠元禅師の命日に供養するものです。まず前日より法要が営まれる開山堂の掃除や飾り付けなどの準備を行います。しかし雲水修行...
規則 僧堂に入る際、多くの規則を覚えさせられます。例えば、スマホなどの電子機器を持ち込むことは禁じられます。外部の世界と遮断し、修行に専念するためです。携帯を連絡手段として、ゲーム機として使用している私たちには考えられな...
持ち物 修行といえど、生活用品を準備しないといけません。頭陀袋123号で紹介した雲水が身に着ける黒の法衣や袈裟や草履の他にも様々ございます。ご飯を食べる際は「持鉢じはつ」という五つのお椀を重ねたようなものが必要になります...
いつもご愛読頂きありがとうございます。今年も寒い時期がやってきました。雲水日誌は前号で第一章が終わりました。ですので、引き続き第二章を書いていくところですが、今回は特別に年末年始の恩林寺について記したいと思います。 行事...
入堂が許される日 いよいよ入堂が許される日がやってきました。庭詰二日間と旦過詰三日間を乗り越えると、ここでも修行が出来そうだと認めていただけるのです。早速、多くの和尚へ挨拶に伺います。その時に「儀袋」というものを渡します...
坐禅三昧の… 小鳥が鳴いており、風の音が聞こえます。私たちは長い廊下に並び、壁に向かってひたすら「坐禅」をしています。朝の七時半頃から夜の九時頃まで、ご飯以外の時間は全て座禅する時間となっており、そんな生活が三日間続くの...
庭詰中に… 玄関で庭詰をしていると、「いつまで居るのじゃあ!」「さっさと出ていけ!」と警策で叩かれます。私たちは驚きましたが叩かれるのも嫌なので逃げていきます。 全力疾走とはこの事で、草鞋で走るため私の足の指からは血が流...
さて、出発の時がきました。 禅堂に足を踏み入れ… 一般の方が立ち入れない禅堂に足を踏み入れ、新倒頭(私たち新人のリーダー)が「たのーみまーしょー!」と大きく声をかけます。それに続いて「たのーみまーしょー!」と私たちも声を...
とうとう連絡が来ました… 本山関係者から「三時から説明いたしますので緑樹院(本山の塔頭寺院)にお集まりください。」との連絡が来ました。先輩の雲水(修行僧)さん二名と新しく入堂する私と他二名による初の対面が開か...