【第二章 八節】 施粥廻り

【第二章 八節】-施粥廻り
【第二章 八節】-施粥廻り

京都は底冷えすると言われています。
雲水衣も夏用から冬用に変わりましたが、冷えの原因である足は裸足のまま。
寒い寒いと言いながらも耐える日々でした。
そんな季節に「施粥せしゅく廻り」というものがあります。

施粥廻り

12月に厳しい修行が八日あり、その期間を生き抜くために11月に托鉢をして廻るのです。
裸足に草鞋を履き、傘を被ったら出発です。
学生の頃、当たり前に使っていた公共機関は乗れません。
自分たちの足で京都を歩き回りました。
一日に30キロメートル程。運動靴の有難さを痛感いたしました。

僧堂のある寺院

実は、僧堂のある寺院には托鉢に行ってはいけません。
しかし、私はそのような事を知らず、宇治市にある興聖寺さまへ訪問してしまいました。
しかし、寛大な和尚さんがおられ、無知な私を許してくださいました。
「私のところの雲水も出払っている。
折角ここまで来られたのならば一炷いっちゅう(30分)座っていかんかね。」

私は入堂し、貴重な経験をさせて頂きました。
お茶とお米(施粥)を頂戴し、本山に帰りました。
先輩は他の僧堂に訪問してしまった私を責めましたが、同夏には笑われてしまいました。
無事に施粥が集まりました。
いよいよ12月より、厳しい修行が始まります。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。