【第二章 九節】 臘八大摂心

【第二章 九節】-臘八大摂心
【第二章 九節】-臘八大摂心

臘八大摂心ろうはつおおぜっしん

師走にはとても過酷な修行が待ち受けています。
その名も臘八大摂心ろうはつおおぜっしん
臘月ろうげつの八日間(12月の1日から8日夜明けまで)心と向き合います。
お釈迦様が七日間坐禅をし八日目の朝に悟られた事になぞらえて始まった修行で私たちも同じ様な体験をしていきます。

期間中は…

この臘八大摂心の期間中は通常より早い3時起床。
夜明け前に開門し朝のお勤めを行った後から粥(朝ご飯)の時間まで坐禅となります。
斎座さいざ(昼食)や薬石やくせき(夕食)・夕方のお勤め以外の時間は、全て坐禅をする事となり、風呂を頂くことすら許されません。
22時頃に4玉程のうどんを頂戴するのですが、胃袋の小さな私には、かなりの量となります。
満腹状態で0時過ぎまで坐禅をし、座ったままの状態で翌朝3時まで眠りにつきました。
この生活が7日間続くと、自分が分からなくなっていきます。
膝が痛いことすら忘れたり、幻想を見るようになったり…最終日の夜にかけては眠ることすら禁じられます。
一晩中叩かれ背中は膨れ上がり、見事に痣だらけになりました。

成道会じょうどうえ

8日目の夜明け、成道会というお釈迦様が悟られた事に感謝する法要があります。
法要後に師家しけ(師匠)より、悟りについて問われました。
こんなに大変な7日間を乗り越えても、私には悟りが何か分かりませんでした。
しかし、美しく見えた夜明けの世界を未だに覚えています。
きっと自身の糧になったのではないでしょうか。
まだ書ききれない事がたくさんあります。
詳細は今後お話していきたいと思います。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。