【第二章 一節】 初めての法要

開山祥忌

四月三日、萬福寺で開山祥忌という大きな法要があります。
日本に黄檗宗を持ち込み、萬福寺を開いた隠元禅師の命日に供養するものです。
まず前日より法要が営まれる開山堂の掃除や飾り付けなどの準備を行います。
しかし雲水修行が始まったばかりでよく解らないまま、先輩や和尚に言われたことに従うだけで精一杯。
ですのでほとんど記憶に残っておりません。
法要当日は「上供(六つのお供え物)」を一人一つ頭上に揚げ、典座(ご飯を作る場所)から開山堂まで一列になって運びます。
四月の上供は私の身長の約半分ほどの大きさでとても重く、ふらつきながら息を切らして運びました。
また初めての法要ですので、先輩の仕草を真似する事しかできません。

失敗を犯す

そんな中でも、失敗を犯してしまいます。
跨いではいけない部分を知らずに跨いでしまい、近くにいた和尚に叱られたことを今でも思い出します。
このような法要に慣れるには、様々な仏具を使いこなす必要があり、厳しい修練を重ねました。
休憩時間や睡眠時間を削り、ひたすら仏具と向き合い続け、今ではある程度出来るようになったと思います。
四月は八日に「降誕会」という法要も行います。これはまた次号に記載したいと思います。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。