【第二章 三節】 寝不足生活

【第二章 三節】-寝不足生活
【第二章 三節】-寝不足生活

催し

萬福寺の五月は数多くの催しがあります。
八日の布袋祭や、下旬の「煎茶道大会」という全国の茶道家が集まる行事など多忙を極めるはずだったのですが、コロナの影響で中止となってしまいました。
法要を行うにもマスクなどの制限が設けられ、余分な苦労をする羽目になりました。
当然、托鉢は叶わず、仏供講会員(檀信徒)さんの元にも行けません。
新人である私たちが、唯一門の外へ出られる機会を失い、苦痛を感じていました。
朝が早い生活も嫌だった覚えがあります。
坐禅中に寝てしまったり、雑草を抜く作務の途中で眠気に襲われたり。
先輩に何度も叩かれ、多くの警策(叩く棒)が私の背中で折れていきました。
寝てしまう自分が悔しくて、一人こっそりと泣き続けた時期もありました。

大きな失敗

中でも一番大きかった失敗は、私を含めた同期全員が寝坊した事。
先輩を起こすのも後輩の役目なのですが、反対に起こされてしまいました。
先輩の怒声と共に飛び起き慌てて…朝のお勤め。
一人一本以上、警策が折れるまで叩かれ続けました。
体力乏しい私にとって僧堂での日常生活は厳しいものでした。
しかしその体力の無さを補うべく多くの勉強に時間を割き、他の同期に教えられる様にと、法式(法要やお経について)や、仏具の鳴らし方を習得していきました。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。