【第三章 二節】 自心と問答

【第三章 二節】 自心と問答
【第三章 二節】 自心と問答

坐禅

睡魔との戦を坐禅と言う也。
そんな迷言が誕生する坐禅の時間。
鳥のさえずりや優しい風の音が子守唄のように聞こえてきます。
気付くと先輩が鬼の形相で目の前に立っており、警策を振り下ろします。
1回で覚醒できれば良いのですが、私は3回ほど打たれます。
どうしても眠気に勝てる気がしなくて、同夏どうげの前で大泣きしたこともありました。
しかし、毎日繰り返すうちに自然と叩かれる事も少なくなりました。

公案

坐禅の後は「公案こうあん」という禅問答となります。
個々人で個室に呼ばれ、師家しか(師匠)から質問を出されます。
例えば両手で叩いた時、左右どちらの手から鳴っているか?
生まれる前の自分の姿を表現せよ。
等の訳が分からない質問ばかりされ、それに答えを導き出さなければなりません。
一人で見つけ出す答えのはずが、「分からん!助けて!」と頼る同夏もいたほど難しいものです。
なぞなぞのようで楽しい反面、難しすぎて理解できない時もありました。
正しい答えがでるまで、何度も部屋から追い出されます。
そのため1ヶ月以上の時間を要したこともありました。
同夏から正解者が出るとヒント等を聞きたくなります。
それを見通されていたのか、各々異なる禅問答が出され頭を抱え込まされました。
その分、正答を導き出した時の嬉しさは言葉では表現しきれません。
同夏同士で喜び合うこともありました。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。