坐禅
睡魔との戦を坐禅と言う也。
そんな迷言が誕生する坐禅の時間。
鳥のさえずりや優しい風の音が子守唄のように聞こえてきます。
気付くと先輩が鬼の形相で目の前に立っており、警策を振り下ろします。
1回で覚醒できれば良いのですが、私は3回ほど打たれます。
どうしても眠気に勝てる気がしなくて、同夏の前で大泣きしたこともありました。
しかし、毎日繰り返すうちに自然と叩かれる事も少なくなりました。
公案
坐禅の後は「公案」という禅問答となります。
個々人で個室に呼ばれ、師家(師匠)から質問を出されます。
例えば両手で叩いた時、左右どちらの手から鳴っているか?
生まれる前の自分の姿を表現せよ。
等の訳が分からない質問ばかりされ、それに答えを導き出さなければなりません。
一人で見つけ出す答えのはずが、「分からん!助けて!」と頼る同夏もいたほど難しいものです。
なぞなぞのようで楽しい反面、難しすぎて理解できない時もありました。
正しい答えがでるまで、何度も部屋から追い出されます。
そのため1ヶ月以上の時間を要したこともありました。
同夏から正解者が出るとヒント等を聞きたくなります。
それを見通されていたのか、各々異なる禅問答が出され頭を抱え込まされました。
その分、正答を導き出した時の嬉しさは言葉では表現しきれません。
同夏同士で喜び合うこともありました。
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