お地蔵さん2

お地蔵さん2
お地蔵さん2

昨日からの続きとなります。

お地蔵さん1

地蔵菩薩は釈迦の入滅後、弥勒菩薩が出現するまでの間、この世に仏が不在となってしまうため、その間、六道すべての世界(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)に現れて衆生を救う菩薩であるとされています。

恩林寺山門前の地蔵尊はここからご覧いただけます。

お地蔵さんの化身

地蔵菩薩は優しい顔をしておられます。
手を合わせているとホッコリした気持ちになれます。
しかし、お地蔵さんにはもう一つのお姿があるのです。
それはなんと…閻魔さまです!

閻魔大王

「噓をつくと閻魔様に舌を抜かれるぞ」
子供を戒めるため引き合いに出されるほど、閻魔大王は誰もが知る存在。
真実を写す鏡が近くにあったり、本当のことが書いてある閻魔帳を持っていたり。
閻魔様は仏教の地獄、冥界の主であり、冥界の王として死者の生前の罪を裁いています。
地蔵菩薩は街中で一番見かける仏様ではないですか?
影で悪いことをしても、お地蔵さんはどこからでも見ています。
だからこそ、閻魔さまの前で嘘をついてもバレてしまうのかもしれません。

死者の罪業を裁判する人の王

十王は冥界にあって死者の罪業を裁判する十人の王のことです。
人間は六道を輪廻し生死を繰り返すとされていたから、次の生が決まらない中有の亡者は必ず十王の裁きを受けなければならない。
初七日から七日毎に七回裁判が行われる。
これで四十九日が経過し、あとは百箇日、一周忌、三回忌に 三回再審がされる。
合計十回の裁判となり、これら十王には本地仏があり、以下のようになります。

忌日(追善供養)十王名本地仏
初七日しょなのか(7 日目)秦広王しんこうおう不動明王
二七日ふたなのか(14 日目)初江王しょこうおう釈迦如来
三七日みなのか(21 日目)宋帝王そうていおう文殊菩薩
四七日よなのか(28 日目)五官王ごかんおう普賢菩薩
五七日いつなのか(35 日目)閻魔大王地蔵菩薩
六七日むなのか(42 日目)変成王へんじょうおう弥勒菩薩
七七日なななのか(49 日目)泰山王たいざんおう薬師如来
百箇日平等王びょうどうおう観世音菩薩
一周忌都市王としおう勢至菩薩
三回忌五道転輪王ごどうてんりんおう阿弥陀如来
七回忌:阿閦如来・十三回忌:大日如来・三十三回忌:虚空蔵菩薩を加えると十三仏となります。

本地仏

人間を救済し済度しようとする仏や菩薩がいろいろな姿であらわれた化身のこと。
すなわち垂迹身すいじゃくしんであるとし、その根本である仏・菩薩のことを本地仏という。

賽の河原と地蔵菩薩

初七日が過ぎると亡者は三途の川を渡ることになります。
この三途の川の河原を賽の河原といいます。
ここは親より先に亡くなった子供が親不孝の報いで苦を受ける場とされています。
子供らは親の供養のために「一重積んでは父のため、二重積んでは母のため、三重積んではふるさとの兄弟我が身と回向して…」哀感こめて唱える賽の河原地蔵和讃と共に積み石の塔を築きます。
しかし完成間近になると大鬼が現れて、その塔を破壊していきます。
そんなことを幾度も繰り返すうち、やがて地蔵菩薩により救われていきます。
大鬼は子らに「親の歎きは汝らが苦言を受くる種となる」と、追善供養なく悲しみに暮れている親を戒めているそうです。

小僧さん

さて、ゴールデンウィークが終わってしまいました。
怠けたいからサボっちゃおう…なんてすると、お地蔵さんに怒られてしまいそうですね。
決して怖い仏さまではありません。
みんなを救おうとしているからこそ、閻魔さまになって、悪いことをした人を怒るのです。
そしていつでも身近にいてくれる仏さまなのです。
だからこそ、街中で見かけたら手を合わせてみてください。
「いつも見守って頂きありがとうございます。」
感謝の気持ちを忘れずに正しく生きていきたいですね。

小僧合掌

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。