僧堂の朝
まだ夜が明けきらない薄暗い時間に、板を叩く音が聞こえます。
境内各所に設置された多くの巡照板と呼ばれる板を叩き多くの僧侶に時間を知らせます。
その板に書かれた謹白大衆 生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸と叫ぶ声が響き渡り、それを合図に寺院内が皆一斉に起き出します。
謹んで修行僧の皆さんに申し上げます。
生と死は大切な事。
その時の移り変わりはあっという間に過ぎていく。
それを自覚して無為に過ごさぬ様にという偈文です。
巡照と呼ばれるお役目
巡照と呼ばれる、早起きをし境内を駆け回って起こす、まるで日直のようなお役目があります。
しかし私たち同夏は助け合おうと、一緒に起きるようにしようと決めました。
しかし実際には朝に強い２人と弱い２人という姿に落ち着いていくことに。
その結果、早起きを得意とする私がその多くを起こす事となりました。
本堂の掃除・朝課(お勤め)を終えると坐禅の始まり。
今朝も無事に起こし終えたという安心感からか、その大切な坐禅中に、私がウトウトする事も。
朝寝坊した方が目立つはずですが、多めの警策を有り難く頂く私の方が目立ちました。
坐禅後、同夏に「ごめんな、いつも起こしてくれてありがとう。」
その言葉だけで私は救われていたのだと思います。
巡照板
実際に使用されている巡照板の写真は、各記事からご覧いただけます。
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