【第三章 四節】 開浴と剃髪

開浴

作務で汗を流し、夕方の坐禅を乗り越えた後の楽しみが開浴(入浴)の時間です。
しかし、お湯に浸りながら一息つく時間はありません。
実はお風呂に入れる時間は線香一本分と決まっているからです。
入浴前に禅堂に小さい線香を立て、燃え尽きるまでに着替えていなければいけません。
先輩が先に長く浸かるため、私たちはぬるま湯に入ることがほとんどでした。
冬はもっと寒く、まさに風邪をひきそうでした。
また、三黙道場の内の一つであるため、中で話してはいけません。
厳しい制限はあるものの、リラックスできる時間は開浴のみでした。

剃髪

四と九がつく日は「剃髪」があります。
本来はお互いの頭を剃刀で剃り合います。
しかし現代ではT字カミソリを使い、自分の頭を剃るのです。
最初の頃は皮膚まで傷つけてしまうことが多々ありました。
剃髪があるたび毎回絆創膏を頭につけている同夏もいました。
毎回つむじ部分に剃り残しがある先輩もいました。
お互いの頭を確認し合いながら剃っていきます。
私は今でも剃り残すことが多々ありますので、その度に近くにいる人に確認していただく様にしています。
もし街中で、頭の一部が黒い坊主を見かけたら、きっと私です。
その時はそっと、周囲にバレない様に教えてくださいませ。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。