小僧さんの雲水日誌です。
大学三年生の頃、学校を休学して萬福寺僧堂へ入ることを決めました。
そこでの生活のお話です。
雲水日誌【第五章 五節】 侍者
托鉢の帰路、重責の始まり 鈴の音とともに托鉢から帰山し、掌に重みを感じるお布施を観音様へ捧げます。僧堂の総務である侍者の務めは、計算や細かな差配が苦手な私にとって、修行のなかで最も高い壁でした。 自身の未熟との静かな闘い...
小僧さんの雲水日誌です。
大学三年生の頃、学校を休学して萬福寺僧堂へ入ることを決めました。
そこでの生活のお話です。
雲水日誌托鉢の帰路、重責の始まり 鈴の音とともに托鉢から帰山し、掌に重みを感じるお布施を観音様へ捧げます。僧堂の総務である侍者の務めは、計算や細かな差配が苦手な私にとって、修行のなかで最も高い壁でした。 自身の未熟との静かな闘い...
雲水日誌威儀を整え、猊下の影として仕える 法要の始まりを告げるのは、静寂を切り裂く緋靴の音。堂内に響く太鼓の音に導かれ、本山住職である管長猊下が入堂されます。その歩みに寄り添うのは、秘書役の丈侍(和尚)と世話役の雲水、行者あんじ...
雲水日誌修行を支える食と貼庫の務め 厳しい修行生活の中で、一番の救いは食事の時間でした。一日三食、命を繋ぐ糧を頂けることに感謝し、その幸せを調理する役割が貼庫てっくです。修行僧たちが起きる頃、静かな調理場へと向かいます。 朝の静...
雲水日誌殿司 法要の準備や諸堂の管理 目覚めと、お寺に吹き込まれる命 早朝、静寂を破る巡照板の音が、雲水たちの眠りを解きます。その直後、暗闇に包まれていた本堂や回廊に、ぽっと温かな灯りが灯ります。それは、殿司でんすの手によって、...
雲水日誌巡照 萬福寺の一日を告げる役職 早朝の静寂を破り、コン、コンと響き渡る木版を叩く音。それは、まだ夜の帳が深く垂れ込める中で、萬福寺の一日を告げる最初の合図です。寺院全体に生命の息吹が吹き込まれる瞬間。この厳かで大切な寺の...
雲水日誌🧹 煤払い 12月13日、萬福寺では煤払いが行われます。柄の長い箒を準備し、山門から法堂まで天井や屋根の隙間を掃除していきます。私たちは前日に準備をして眠りにつきました。 珍しい雪景色 翌朝、同夏が私の布団に飛び込んでき...
雲水日誌土砂作業 雨が降り続いたある日、萬福寺は豪雨に襲われました。 豪雨による境内の被害と緊急出動 境内の松の木は落葉し、廻廊横の排水溝を塞いでいきます。まるで大きな水溜まりのような状態になってしまいました。私達は緊急出動。雨...
雲水日誌線引作務 毎月14日と月末は、全ての御堂を綺麗にします。仏像に付いた埃を払ったり、香炉に埋まった線香を取り出したり。石畳はモップで磨きます。猛暑日でも堂内は涼しく、快適に作務をしていました。しかし突然、和尚から「線引」を...
雲水日誌炎天下の作務と、突然の異変 真夏の日差しが容赦なく降り注ぐ境内。一年を通して緑を保つ常緑の松は、隠元禅師が「枯れることがない」と植えられたと聞きます。その生命力は確かに尊いもの。しかし、作務に励む私たちにとっては、季節を...
雲水日誌軽い気持ちで萬松院へ 知客(師匠)から「道具はいらないから少し手伝ってほしい」と言われ、軽い気持ちで萬松院へ向かいました。同夏のみんなも簡単な作務だと思って喜んでいたのですが、到着すると知客さんは作務衣姿で頭にタオル。そ...