頭陀袋139 令和6年1月号

頭陀袋139 妙心寺法堂「雲龍図」
頭陀袋139 妙心寺法堂「雲龍図」

ゆく年 くる年

ゆく年

『祇園精舎の鐘の声、所業無常の響きあり』
平家物語の巻頭を飾るこの言葉はおごれるものも必ず滅びてゆく、というように何か寂しい印象ですが世の中、良い事も悪い事も待ったなしで過ぎ去ってゆく、ということを表しているものと思います。
さて、令和五年は恩林寺としまして新堂(鳳雅)が禅堂の修業、大学の過程を卒業して高山に帰ってきました。
その後就職し、只今、法務と社会勉強に取り組んでおります。
六月のお施餓鬼せがき、九月の彼岸会ひがんえと勤めました中で、秋の彼岸会には新堂の修業仲間であります同夏どうげの皆さんが参加してくれまして、お互い健康を喜びあい友情を確かめ合うことができた事は近くで見ていて嬉しいことでした。
引き続き、皆様方のご支援賜りますようお願いを申し上げます。
さて年の暮れの作業も終わりますと除夜の鐘。
総代さん方のご協力で照明など準備が整いますと23時から百八の鐘をつきます。
和尚に引き続き、参拝の皆様に自由について頂きます。
百八とは私たちには百八の煩悩があり、これを滅除するというご利益がある、との説や、四苦八苦4×9四苦8×9八苦=108。はこの算式によりクリアされるとか、いずれにしても鐘の音は私たちの心を浄化してくれます。

くる年

新しい年は各お宮さんでは歳旦祭、お寺では修正会といった行事が催されます、恩林寺では歳旦祝聖しゅくしんと言って元旦の零時より一年の国家安寧、檀信徒様の家門繁栄健康祈願交通安全を祈祷いたします。
令和六年は辰年。
干支の龍は仏教の守護神。
十二支の中で龍だけが架空の生物であり変幻自在、驚異的な能力を持つとされています。また、強いだけでなく品格も備えています。
首の下には「如意宝珠にょいほうじゅ」という何でも望みを叶えてくれるという珠を持ちます。
龍は天に舞い上がる。
令和六年は龍にあやかり運気を掴みたいものです。
さて、禅寺では七堂しちどう伽藍がらんと言われる中に法堂はっとうと言われるお堂があり、ここは大和尚だいおしょう様が法を説く(説法する)ところです。この天井には龍の絵が描かれていることがあります。
京都、妙心寺法堂、南禅寺法堂、天龍寺法堂、東福寺法堂など、中でも妙心寺の龍の絵は狩野探幽の作として有名です。
令和六年はこうしたテーマでお寺を参拝されるのも意義深いでしょう。

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。