頭陀袋132 令和5年6月号

十一面観音坐像 海蔵山雲龍寺蔵
十一面観音坐像 海蔵山雲龍寺蔵

かんのんさま(続)

雲龍寺鐘楼門

高山は曹洞宗の古刹、雲龍寺の観音さまを訪ねてまいりました。
このお寺は飛騨三十三観音第三番として親しまれています。

縁起によりますと、鎌倉時代曹洞宗を日本に伝えた道元禅師の教えを広く世に広め、曹洞宗の基盤を作られた瑩山禅師(太祖常済大師と申します)。
瑩山禅師は、能登の総持寺を起点に活動されましたので永平寺と並んで曹洞宗の大本山の格式を継承されてきました。
瑩山禅師の優れたお弟子が総持寺の塔頭五ケ寺を開かれますが、その筆頭太源禅師の直弟子、了堂真覚禅師が雲龍寺の開山であります。
了堂禅師のお弟子にあたる竹窓智厳禅師は、たまたま高山を訪れ白山社の別当妙観寺が無住になっているのを悲しみ、この寺を再興し曹洞宗に改め雲龍寺としお師匠さまである了堂禅師を開山とされたのです。
総持寺は直末である五院から輪住と言って住持様を推挙する制度があり、わかっているだけでも雲龍寺から十二名の和尚様が就任されています。

こうした歴史を持つこのお寺は、白山社とのご縁が続いていますので白山社の本地仏、十一面観世音菩薩を当初からお祀りしてありましたが、二度による火災にあい、現在のご本尊は江戸時代の作、と言われています。
また、脇侍には地蔵菩薩、聖観世音菩薩が祀られています。

雲龍寺本堂

このお寺は昭和の初め三十一世林孝道和尚は、たくさんのお弟子を育て、また孝道保育園を開設し福祉に貢献されました。
三十三世亀山浩由和尚は庭園の整備に、三十五世亀山浩運和尚は堂宇の再生に尽力され禅苑の雰囲気を一新されました。

豆知識

瑩山禅師は鎌倉時代の僧侶。曹洞宗の第四祖。瑩山派(總持寺派) の派祖。
曹洞宗では一仏両祖といい御本尊に釈迦如来、右側に道元禅師、左側に瑩山禅師を主にお祀りしています。

お施餓鬼法要について

1:日時  6月25日(日)10:30~
2:場所  恩林寺本堂にて

黄檗宗十八教区(岐阜県)では毎年六月~九月初めまで各寺院持ち回りでお施餓鬼法要を行います。
お施餓鬼法要は各お寺の檀家様や、信徒様のご先祖、水子、親戚縁者のご供養を行うものです。
和尚様方の配役がたくさん必要ですので持ち回りでお互いのお寺へ伺いながら法要を務めます。
恩林寺は今年は六月最終日曜日と決まりました。
追ってご案内を致します。
お誘い合わせの上御参詣下さい。

お施餓鬼法要
古田住職

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
アバター画像
古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。