頭陀袋037 平成27年7月号

いい話を聞きました

先日、いつもお経にお邪魔するおばちゃんから、いい話を聞きました。このおばちゃんをかりにハナさんといたしましょう。

ハナさんは高山の生まれ、高山の育ち、旦那さんは石川県金沢のお生まれです。とても信心深くて話し好きで、近所のかたの人気者です。

しかし最近は足が不自由で、あまり外には出かけません。お経が終わりますといつものようにお茶と、お菓子が出ておしゃべりが始まります。

「和尚さんはいつも元気そうで、けなるいなあ。どうしてそんなに元気でいられるの?」

「そんなことないさあ。この頃はどこか出かけるにも、免許証どこヤッタかな? くるまのかぎは? 財布持ったかな? そうや、今朝は薬飲んだんやったかなあ。なんて、なかなか、出かけるにでかけられんようになってしまってな。それにほっぺたに、でっかいシミができてしまってな。顔は皺(しわ)だらけ、まあ、年はとりとうないもんやな。」

「ギャッはっは。まあ和尚さんでもそんなこと気になるの。ま聞いてくれ。これはこないだ聞いてきたばかりりの話やけどな。和尚さん、極楽にはカリョウ、ビンガとかいう極楽鳥が飛び回っておるそうやが、和尚さんのかおのシミは、極楽鳥がうんちをしたのが、飛び散って、顔にかかっただけやって。和尚さんは坊さんやで極楽鳥の飛び回る、極楽の近くまで来たということや。大丈夫、もうすぐ極楽やで、心配せんでも。それにな、皺のできるのは今まで世の中、いろいろ体験してきたンやで、堂々としとりゃええんや。横皺(よこじわ)はうれしいこと、たのしいこと。縦皺(たてじわ) は怒ったとき、はんちくたいことの証(あ かし)やそうな。私もな、この話を聞くまではいちいち気にしとったけど、まあ、これからは縦皺が寄らんように、頑張らないかんとおもっとるんやよ。」

「そうかな。今 日はいい話を聞かせてもらったなあ。おばちゃんに、お布施つつまないかんな」

「ぎゃはは。そら、はんたいこやもんなあ。」 (高山さんの話、ご理解いただけましたかな?)

恩林寺のお施餓鬼

六月二十八日(日)昨年に続き第二回目のお施餓鬼が勤まりました。 当日は東山・宗猷寺住職和尚、岐阜芥見・真聖寺閑栖和尚。同、住職和尚様はじめ全 部で十名による黄檗式の法要で盛会でした。翌日の中日新聞、高山北部版にこのようなニュースが掲載されましたので、紹介いたします。

施す(ほどこす)ということについて

六月二十八日、お寺のお施餓鬼法要の後に岐阜市芥見、・真聖寺住職、村瀬正光禅師による法話がありました。その概略についてまとめました。
戦後七十年といいますが、人の寿命というものはずいぶんと長くなったものです。日本も戦中は、あるいは戦国時代、平均寿命は二十歳というような時代もあったのです。先陣を切らない殿様は、人間五十年などといったのですが。

さて、私の檀家さんで母子家庭で育った娘さんがめでたく結婚され、いよいよ臨月になりました。昔は、お産というのは一大事で、お母さんが命を落とす。子供さんが死産だった、というようなことがありましたが、今はこうしたことはほとんどありません。しかし、病院でお産をするということでしたがいわゆる医療ミスでお母さんのほうがなくなってしまいました。

うまれたお子さんは女の子でした。妊婦さんの旦那さんはもちろんおられるのですが、仏は伯父さんの家に引き取られ、また子供さんもおじさんの家で育てるということになりました。旦那寺である私は七日ごとにお参りに行くのですが、どうも暗い雰囲気で、つらく感じておりました。ところがある日、お宅に伺ってみると、どうもいつもと違うのです。

お経が済みますと、おじさんが「和尚さん、今日はちょっとお話があるのですが。」と、言うのです。「和尚さん、私がもし間違っていれば、どうか指摘してほしいのですが。」と前置きしてこんなことを話してくれました。

「お医者さんのミスとはいえ、こんなかわいい子供を親なしにして、なんということか。と、弁護士に相談してお医者さんを告訴しようと準備はすべて整いました。しかし、なんの罪もない子供は屈託ない顔でニコ ニコしてくれます。私は、今、何をしようとしているのか。そこで私は、裁判で争うなどということは、すべて ないことにしょう。この子のために残りの人生をかけよう。わずかな資産もこの子のために使おう。と、心に決めたのです。」

「話せば長くなりますが無財の七施という言葉があります。誰にでもできる施し、とでも言いましょうか、にこにこ頬笑む、優しい笑顔というのも施しですね。(これを仏教では和顔施といいます。)おじさんは姪っ子さんから施しを受けたということですね。」

今日は恩林寺さんからは法話のテーマをいただいていたのですが、勝手に変更しましてわたしの檀家さんのお話をさせていただきました。

ご清聴ありがとうございました。

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。