鬼さん

節分2024
節分2024

豆まきに真剣だった恩林寺の小僧です。

今週末はいよいよ節分ですね。
幼い頃は豆まきに夢中になり、玄関に入ってきた鬼(父)に投げ続けていた記憶があります。

豆まき

以前、とある人から豆まきに関するお話を聞きました。
「私は嫁さんに向かって豆を撒いたんだよ」
夫婦で豆まきをすることになり、鬼役を誰がやるか相談になりました。
そして、その方は「鬼嫁は外〜」と奥さまに向って優しく投げたそうです。
奥さまは怒り、その方を玄関の外に追い出し、こう言いました。
「可愛い私にそんなことを言える貴方は鬼ね、外がお似合いよ」

その方は私に、「結局どちらが鬼なんでしょうか?」などと話しておられました。
本気で怒ってる訳ではないようで安心しましたが、面白い話だと思いました。

しかし、「鬼」って何なのでしょうか?
なぜ、豆まきには「鬼」がいるのでしょうか?

「鬼」の由来

鬼は恐ろしい形相をしています。
皆さんが思い浮かべる姿といえば、角や牙があり、人の形をしていて筋肉隆々。
虎柄のふんどしをして、右手には金棒を持っていると思います。

元々、鬼という字は中国では「死者・霊」を表していました。
日本では見えないものを意味し、『おぬ』から、オニと呼ばれるようになったそうです。

なぜ怖いの?

鬼は怖い姿や顔をしています。
それは、自分自身の気持ちを体現化したものが鬼だからです。
誰かを妬む時、あなたの顔はどうなっていますか?
恨む時、憎む時、あなたは怖い形相をしていませんか?

地獄では、自分の行った罪に対して罰が決まります。
人や動物を殺した人は、鬼に殺されます。
食べ物を粗末にした人は、鬼に口ちぎられます。
自分が行った行為、つまり自分自身(鬼)の手によって痛めつけられるのです。
悪い行いは、自身を鬼に育ててしまうのです。
だからこそ、現実世界でも分かりやすいよう、鬼が描かれるようになりました。
死後、自分がこのような醜い姿になりたくなければ、自身の手で自分を虐めたくなければ、善い行いをした方がいいですよね!

鬼には5色ある!?

よく桃太郎などの童話には「赤鬼、青鬼」が出てきます。
なんと鬼には5色もあります。カラフルですね!
しかし、一つ一つの色には役割があるのです。

赤鬼

貪欲
欲張りや貪りをした姿。大体の罪は赤に該当します。

青鬼

瞋恚
怒りや恨み、憎しむ姿。憎悪の感情は青に該当します。

緑鬼

癡心
怠けたり愚かな姿。怠慢な姿は緑に該当します。

黄鬼

慢心
もしくは白鬼。不平不満の姿。自分の甘さ等も黄(白)に該当します。

黒鬼

疑惑
疑ったり愚痴をこぼす姿。信心が無い等も黒に該当します。

実はこの五色…人間の根本的な煩悩です。
心の中心近くにあり、意識をしないとついしてしまう悪い心や行動なのです。
鬼は自分自身だとすれば、日々の生活で鬼を育てたくありませんね。
私も地獄には行きたくないと思っています。

小僧さん

鬼は外!福は内!
桃太郎さんは動物たちと鬼を倒しました!

子供の頃は鬼が非現実的で、弱いものに見えていました。
しかし、実際の鬼は自分から作られているのです。
「人の陰口は鬼が運んでその人の所まで届く」
そんな例え話を聞いたことがあります。
豆まきは、1年「マメ(元気)」でいられるようにお願いするのと、良い行いを邪魔する鬼を撃退させる行事です。
今年1年、心も体も健全で過ごしていきたいですね!

機会があれば、有名な鬼さんについても記したいと思います。

小僧合掌

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
アバター画像
恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。