頭陀袋135 令和5年9月号

黄檗山萬福寺-塔頭-天真院
黄檗山萬福寺-塔頭-天真院

黄檗僧 了翁道覚りょうおう どうかく禅師 について

黄檗禅を伝えた隠元禅師は、中国黄檗山におられたころから沢山のお弟子を育てられましたが、日本へ渡られた後も素晴らしいお弟子様を輩出されました。
中でも鉄眼和尚の一切経開版は有名ですが今回は了翁禅師様について紹介しましょう。

了翁禅師

了翁禅師は出羽の国、雄勝郡八幡村(現在秋田県湯沢市幡)の貧農、鈴木家の生まれとのこと。
父は重孝と申しました。
幼いころから仏門に入り、後に隠元禅師に師事します。
諸国行脚の修行をしておりましたが、どうにも男根(男性器)が修行の邪魔をする。
というので自らこれを切り取ったといわれています。
余りの痛さにこらえながら修行にはげみますが、ある時夢のお告げがあり、「わしは長崎、唐寺(黄檗の寺)の和尚である。儂はあなたに宿善の因縁により、薬の処方を授けよう。」といわれました。

宿善とは?

宿は宿世のことを指し、前世・過去世の意味です。
善は善業の意味です。
宿世に行った善業を指して宿善といいます。
また、生れる前の過去世に限らず、今までに積み重ねた善根を指すこともあります。

了翁禅師はその処方によりできた薬で自らの病を治し、さらにはこの薬を市販することとし、不忍池近くに薬房を開き甥である大助に任せました。
薬は錦袋圓と名付け飛ぶように売れました。

図書館

了翁禅師は不忍池畔に公開図書館「勧学寮」を開き、和漢の仏典や儒教の典籍を集め、講師なども務めました。
これは一般の人々にも公開した日本初の図書館であります。

寺院建立

またさらに天台、真言、禅の寺、二十一ヵ寺に大蔵経を寄付し、さらに経蔵やその維持にまで手を貸したといわれています。
禅師はあくまでも質素な暮らしを貫き、江戸や京都で起きた火災の被害者救済に勤めるなど大きな業績を残しました。
晩年には黄檗山萬福寺塔頭天真院を開きました。

恩林寺秋季法要について

昨年迄はコロナ禍も有り様々な法要も実施困難でした。
今年は5類感染症に移行しましたので秋季法要を執り行いたいと思います。
斎座(お昼ご飯)をご用意しております。
お持ち帰りも出来ますので、お気軽にご相談ください。
法要には雲水日誌に登場する小僧さんの同夏をお呼びしております。
記載できない様なお話が聞けるチャンスかも?ぜひ恩林寺へご参詣ください。

日時:9月17日 午前10:30~
場所:恩林寺本堂にて
法話:恩林寺新堂 小森鳳雅(法話は午前11時~)

恩林寺秋季法要2023
古田住職

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皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。