かんのんさま(続)
かんのんさまは最もよく知られた仏様です。いえ、かんのん様は仏ではなく、実は菩薩さまと言います。菩薩は同じように見えますが違いがあります。
多くの菩薩は、王子だった頃の釈迦の姿と言われ装飾品を身につけ、髪の毛を高く結い上げています。
如来の意志に従って様々な姿に変身、人々を救済してくださいます。
「仏」はブッダの和名で、お悟りを開かれた人のことで、お釈迦様がその代表格です。
また、薬師如来、阿弥陀如来、というように「如来」をつけてお呼びします。
「如」は真理という意味。
その真理の世界から「来た」ので「如来」と呼ばれます。
そのお姿は、粗末な衣をまとうのみで飾身具はつけていません。
菩薩は古代インドの言葉「ボーデイ:サットバを音写した言葉「菩提薩多」を二文字に略して菩薩と言い、仏になろうと志をたてて修行する人を指します。
菩薩とは上に向かっては菩提を求め下に向かっては衆生を教化する人、とあります。つまりは自己の向上を目指し世のために役立ちたい人であり、やさしく言えば正しく、そして優しく生きよう。とする人のことです。
さてこの人というのがポイントで、あなた自身が菩薩になりうることを示しています。
私たちが唱える般若心経では観自在菩薩として登場される「自在に観る」ありのままを見る。つまり正しく見る菩薩、これが観音さまです。
飛騨では昔から観音信仰が養蚕や牛馬の安寧招福祈願と重なって大切にされてきました。
飯山寺観音(聖観音)松倉観音(馬頭観音)などがその例です。
円空さんはこうした観音霊場にも足を止め、力作を残しています。
飯山寺には円空さんの大作、金剛力士像二体、(身丈2.2m・現在は飛騨高山まちの博物館に収蔵)松倉観音には不動明王を残しています。(現在は本寺、素玄寺にお祀りされております。)
江戸時代後期の儒学者、赤田臥牛は飯山寺の由来記を奉納しており、さらに国府町宮地、子安観音は子宝に恵まれるといわれることから祈願納経をしております。(臥牛の子、章斎は父の開いた塾、静修館を継いだ学者として知られています。)
ウクライナ人道支援募金托鉢
三月二十四日高山市仏教会は募金托鉢を行いました。
財宝二施 功徳無量 檀波羅蜜 具足円満 乃至法界 平等利益
世界大戦を引き起こした日本。世界最初の被爆国、日本。原発事故経験国、日本。
今こそ日本は世界に向かって発信しなければなりません。
今月の言葉
かすみ立つ ながき春日を 子供らと 手まりつきつき 今日もくらしつ
良寛さま
子供は嘘をつかないもの、ほとけさまの心そのもので、私は子供と遊ぶのが一番楽しい。
住職合掌