ついで西堂という重い役に就かれた禅師は、
真赤に燃えあがった炉で鍛えあげた禅者という者は天をも持ち上げる力量が備わっているでしょうが、そのことは今は問いますまい。
仏祖が悟った印として授けられる印可は何人にも優れた人に與えられるべきでしょう。
それについてお伺いします
と問われ、そのあと、禅師と隠元老和尚は問答を交わされ、禅師が法を嗣ぐにふさわしい禅者であることを確りと認められました。
翌年の立春の日、禅師は老和尚に代って秉払説法を行なわれ、春の修行期が終ると、太平寺に住持 (住職)として迎えられました。
老和尚は方丈(居室)に禅師を呼ばれ、払子を手にして、「人に逢うて錯って使ってはならぬぞ」と言って払子を手渡されました。
時に木庵禅師は既に四十歳になっておられました。
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