かんのんさま(続)
観音様の霊場は西国三十三観音、坂東三十三観音、秩父三十三観音というようにたくさんの霊場があります。秩父三十三観音は室町時代、坂東三十三観音は鎌倉時代の発足というように、それぞれ長い歴史を持つ霊場も多いようです。
奥飛騨では、長倉観音で親しまれている桂峰寺が有名です。
北飛に勢力を伸ばした江間氏の二代当主、江間朝方は鎌倉建長寺の夢窓疎石を招じて鎌倉時代の弘安四年、上宝本郷に桂月庵を開きました。
当初、この寺は臨済宗建長寺派でありましたが、室町時代に移り越中、国泰寺の正雲和尚が寺基を長倉に移しました。この時、正雲和尚は国泰寺からインド伝来の聖観世音菩薩をもたらし、お寺の名前も桂峰寺と改めました。以来、このかんのんさまは毎年九月三日を縁日として開帳され、その際はかんのんさまのお像を手にとって拝む百観音奉載手請式が行われます。
仏師 竹内右門作・円空作
その他にもこの寺には仏師、竹内右門作の子安観音や円空作十一面観音、善女竜王、今上皇帝像の三尊仏、韋駄天像がお祀りされています。
三尊仏というのは薬師三尊、釈迦三尊、弥陀三尊、などというように、昔から脇仏は決められた約束事があるようですが、円空さんはそうしたことにこだわらず作仏した例がたくさん残っております。
この寺に伝わる十一面観音、善女竜王、今上皇帝像は双六谷の奥、金木戸部落の神社にあったもので、昭和四十四年部落六戸がすべて離村したのを機会にこの寺に移されたものだそうです。
この三尊仏は円空研究には重要な仏像で、生涯に十二万体の仏像を彫ったと。背中に書いてあるとか、近代の機器で調べたらこのように書いてあるとかの議論を巻き起こしていますが、
いずれにしても円空さんは奥飛騨の山並みを拝しつつ作仏の満願が近いことを意識していたのではないかと思います。
観音さまの願い、すべての衆生を救うために三十三間堂の千躰の観音様、円空の千手観音様、長倉の百観音様、数字にこだわらず、あらゆるご縁を通じて私たちは守られているのです。
お盆の棚経のご案内
今年のお盆は左記の通り予定しております。
一部、鳳雅禅士がお邪魔いたします。
- 11日(木)
中山・緑ケ丘方面・山田町・下岡本町恩林寺周辺 - 14日(日)
川西地域 - 15日(月)
川東地域 - 16日(火)
国府、飛騨市 - 17日(水)
予備日
都合が悪い日などありましたら恩林寺までご一報下さい。 よろしくお願い致します。
棚経の予定につきましては、こちらにも掲載しております。
住職合掌