頭陀袋112 令和3年10月号

お母さん話を聞いてね

先般、中日新聞に掲載された「お母さん話を聞いてね」という見出しで岐阜県の主婦の方が投稿されているのを目にしました。
新聞の切り抜き帳に保存していましたが、身近にある話としてここに紹介させていただきます。

車を走らせていると電柱の側面にいろいろな標語が有るのに気付く。その一つが
ねえ聞いて 話したいのは 今だから
四十年前、小学校に入ったばかりの二女のことを思い出した。
私は当時、共働きだった。帰宅した娘二人に宛て「お帰り。おやつはプリンだよ。」とのメモを書き残したっけ。
その日は遠足だった。「リュックの中をきれいに空っぽにしてからお外へ遊びに行きなさいね。」と、書き置いた。
私が家に帰ると、二女は出かけるどころか疲れてしまって座布団の上で眠っていた。たくさん話したいことがあったろうにと、心が痛んだ。それからはなるべく娘たちの勉強を家で見るようにしてきたが、なかなか向き合えなかった気がしている。
幸い彼女たちは優しい子に育った。現在は近所に住んでいてよく電話をくれたり我が家によってくれたりして、たわいない話をしている。
それでも幼いころかわいそうな思いをさせたという後悔と、自責の念は今も消えない。

中日新聞

働いているお母さん方、どうか子供の話を今のうちからたくさん聞いてあげてくださいね。

鉄眼禅師の一切経について

頭陀袋111号で鉄眼の一切経を紹介いたしましたところ色々なご意見感想が寄せられました。
江戸時代、鎖国の日本に六十三歳という(当時としては高齢であった)隠元禅師の東渡と、その法を継ぐ弟子たちが活躍され、宗教界に大きな刺激を与えた事、土木、建築、などの技術を伝えたこと、日本初の図書館を開設した和尚さんの話など、紹介する課題がたくさんであり、自分自身の勉強不足に冷や汗が出ます。
来年四月は隠元禅師正当三百五十年にあたります。
大本山萬福寺では遠忌、諸行事が計画されております。
今後も時々、こうした課題をとり組ませていただきたいと考えております。 

今月号の表紙 にこにこ地蔵さん

史跡美濃の国、国分寺近くに住む古倉さん夫妻は五十年来の友人ですが、ご自宅に伺ったことがなく、ぜひともと考えていましたところ、幸い時間もとれましたので車のナビを頼りに伺いました。のどかな田園の中に七年前自宅を再建されたとのこと、働き者の御両人は今は晴耕雨読のゆったりした生活をされておりました。
「先日の法要に間に合わせようとしていたのですが間に合わなくて。」
奥さん手ずくりのお地蔵さんを頂戴いたしました。頭はまあるく、こころもまあるく、顔はにこにこ和顔施。どっしりした体格は、なんでも受け止めるよ。と、飛騨国分寺の大銀杏の敷板にお立ちいただいております。

訃報

恩林寺法類 瑞浪市 明白寺住職 和田善敞老師は七月十二日卒寿にて遷化されました。
永年の御法愛ご指導に対し深く感謝致しますと共にご冥福をお祈り申し上げます。

住職九拝

今月の言葉

父母は天地のごとし

両親は損得無し、布施の心で育ててくれたなあ。まさに天地のごとしです。

(佛教伝道協会)仏教に学ぶ「施しのこころ」より

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。