頭陀袋088 令和元年10月号

慈眼視衆生

人は物を見るとき、自分の損得のレンズを通して判断する。
そこに働く分別心に気付き、自分でもなんてあさましいと、思ってしまう。
観音経の終わりの部分に、そうした損得のレンズを捨ててすべてのものに慈しみの眼をもって衆生を見るようにと、観世音菩薩の心を説いている。

一切の功徳を具し 慈眼をもって衆生を視たまい 福寿の海も無量なり。
この故に応に頂礼すべし。

観世音菩薩は一切の功徳を持っていて、大慈悲の心眼をもって我々衆生をじっと温かく見てくださる。
与えてくださる福徳も当に海のごとく無量なのだ。
私たちは、そのままこの心をいただくことが出来れば、これほど素晴らしいことはありません。

四姉妹のご来訪

懐かしい葉子さんから電話がありました。明日の日曜日、お母さんと妹たち四人でお寺に伺いたいとのこと。 
「どうしたの?何かあったの?」
「じつは毎月貰っている頭陀袋のお寺に皆で行こうよ。ということになって。」
葉子さんは今から三十年前、私たちの職場に入社してきたピカピカの一年生。
新入生なのに大きな字を書く、天真爛漫な性格。
足掛け四年同じ職場でお世話になった後輩です。
生まれは河合町大谷の里。
その後、神岡町に嫁ぎ、今はやっとで、子供も一人前になって給料もらってくるようになったよ。話しぶりは昔の儘。
内容はさすがにお母さんの貫禄十分。
妹さんたちも同じ飛騨市に嫁いで、中の妹は 介護の仕事、一番下の妹は 美容師してるんやよ。三姉妹のお母さんは、娘さんらの影響か、みんなより若々しい身なりでちょっと見たら、四姉妹。  お寺のあちこちで写真を撮ったり、草花のアップ写真。
娘さんたちの若いころの話など、わいわいがやがや。枯れた空気のお寺もとても華やいだ一日となりました。

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。