頭陀袋005 平成24年11月号

福田・恩田・福分

福田さんとか恩田さんとかいう苗字の方がいらっしゃいますね。
そのかたがたのご先祖はきっと仏教に熱心な信者だったに違いありません。
(福田) は仏教読みでフクデンと読み、福徳を生ずる田を意味します。
供養すれば必ず福徳が得られるということです。

福田と呼ばれる者ははじめ仏弟子に限られておりましたが、後、拡大解釈されて三福田が数えられるようになりました。
すなわち世に慕われる仏や僧を敬田、親や先生など恩に報いるべきものを恩田、貧しい者や病人を養わなければならないものを悲田という三種の福田がとかれるようになりました。

悲田については聖徳太子が四天王寺に設けられた悲田院や、光明皇后が平城京に設けられた悲田院がよく知られています。
いつの世でも敬田、恩田、悲田の三福田は供養されなければなりませんし、そのことで社会が社会らしく成り立つのではないでしょうか。

福田衣

また坊さんの袈裟の別名を福田衣(ふくでんね)というのはお袈裟は仏、仏弟子がいただくありがたい衣というほかにその條相が田んぼの畦に似ているからであります。
お袈裟自体に無量の功徳が備わっていることはもちろんです。
これら福田をよく供養したことによる福徳の分け前を(福分)といいます。
前世で行った善業の果報としてこの 世で受ける功徳が福分といっていいでしょう。
この世でうける福分の少ない人はぜひ、この世において善を積み、来世においてたくさんの福分を得られるようにこころがけたいものです。
前世で積んだ善業がけして無駄ではなかったように今世でつむ善も来世に及ぶことを思い、毎日精進したいものです。
そしてくれぐれも悪業を来世に持ち越すことのないように心したいものです。

かんのん霊場めぐり

今年は壇信徒さまの中に飛騨三十三かんのん霊場めぐりをしたいとのご希望がありましたら団参を計画したいと考えております。ご希望がありましたらお寺までお申し出ください。

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。