東司の取り合い

東司

兄弟喧嘩が頻繁だった恩林寺の小僧です。

お兄ちゃんとしてのプライドがあるのか…弟の行いが気に入らないのか…。
学生の頃は、よく喧嘩していたような気がします。
しかし、お互い水に流してしまい、長引くことはありませんでした。
男の子ってそういうものなんですかね…😆
家族内でも合戦が始まることがあります。
それは…トイレです!
家族同士で不思議と時間が被ったりしませんか?😭

東司と雪隠

私が他の寺院でトイレを借りる時、大体「東司とうす」か「雪隠せっちん」と書かれています。
恩林寺では「東司」と書いてあります。
きっと皆さんも見たことがあるでしょう。
しかし、この語源を知っている方は数少ないと思います。

東司は東を司ると書きます。
日本で東というのは高貴な場所や方向を指します。
黄檗宗開山祖の隠元さんが住んでいた場所は「東方丈」、皇太子さまが住む場所は「東宮」。
その方々が生きる上で欠かせないトイレは、住居の近くにあったのでしょう。
そこから「東司」というのではないかというお話が有力とされています。

また東に対抗して、トイレを「西浄せいちん」と言う所もあります。
これらは下級の人々が使っていた、寺院では修行僧が使っていた場所だと言われています。

雪隠は、昔の和尚さんのお話が有名です。
中国の雪隠寺というところで、トイレが大好きな「雪竇和尚」が居ました。
その方は、トイレで悟りを得たのです。
私も踏ん張れば…おっと、違う何かが出てきました😱

東司について

東司は、七堂伽藍(寺院を構成する七つの施設)の一つ。
禅においては、便所すら心身練磨の道場で、禅堂・浴室とともに、三黙道場の一つに数えられています。

トイレの神様

トイレには♪綺麗なべっぴんさまがいるんやで~♪
私が小学生の頃に流行った「トイレの神様」という歌がありました。
べっぴんさんではありませんが、実際に仏教では、トイレに「烏枢沙摩明王」さまがおられます。

お釈迦さまが涅槃に入る時、蠡髻らいきつ梵天王という人は天女と遊び呆けていました。
仙人達が迎えに行きますが、糞尿などで堀や壁を作ってしまうのです。
お釈迦さまは、不壊金剛明王(烏枢沙摩明王の別名)を呼びました。
すると、明王は糞尿を焼き付くし真っ平らな地面にしてしまったのです。
そして、蠡髻梵天王を連れてお釈迦さまの元へ連れてきたとされています。

宗派によっては五大明王の内に数えられたり、安産祈願の仏さまとして祀られることもあります。

怪談

トイレは怪談でよく使われる場所の一つです。
地元にある公衆便所にも、和式の下から手が出てくるという噂があります。(地図参照)
そんな話を聞いて、私は夜中トイレに行けなくなりました。
皆さんはどうでしょうか?
近くに仏様がいます。
トイレにまで仏さまがおられるのです。
そう思うと少しは安心してトイレに行くことが出来るのではないでしょうか?

小僧さん

豆知識!
烏枢沙摩明王さまのご真言は「オンクロダノウ ウンジャク ソワカ」と言います。
トイレで用を足した後、不浄な物を綺麗にしてくれた(洗い流してくれた)仏さまに感謝して、ぜひ唱えて下さると嬉しいです。
トイレはいつも綺麗に心がけることが大切です。
私も東司の掃除、頑張ります!

小僧合掌

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。