頭陀袋159 令和7年9月号

綱島資長氏 御寄贈の篆刻
綱島資長氏 御寄贈の篆刻

たくさんの人に会う

私は中学卒業と同時に、高山市内の印刷工場に新米の職工として採用していただきました。
自分は次男坊であるし、何か職をつけて生きていかねばならんとその頃は思っていたのですが、そのうち、高校夜間部の後輩のお声掛けで隣町(古川町)にある医薬品原料の製造会社に転職いたしました。
社長はすこぶる元気な人でことあるごとに家業であった精米の仕事から会社設立、今に至るまでを事細かに話してくれました。
「この町の各企業の平均寿命は17年だそうだ。わが社はもうすぐ30年。会社は人によって成り立つ。今でも入社試験はわしが個人面談をする。」といった調子でした。

社員選考の日

ある朝、新入社員の選考の日に所用で社長室に入りますと、社長は手鏡を持つて自分の顔を見ておりました。
「これはわしの独り言と思って聞きなさい。
この人たちの履歴や学校の成績なんかどうでもいい。
ただ少し注目したいのは、お爺さん、お婆さんと同居しているかどうか。
これは将来、この人にとって素晴らしい宝を持つ幸せなことなのだ。
それから人に逢うということはまたとないチャンスなので、君も仕入れ担当ならたくさんの人に逢いなさい。
わしは易者ではないがたくさん逢ううちに色々なことを勉強してきた。
人に逢うときは目、鼻、口は縦横しっかりと。それに相手の目を見て話をする。
自分は会社を代表してお客様に逢うということを忘れないように。」
幸せなことにこの社長と共に25年、その後、退職まで30年余りのご縁を頂きました。

素晴らしいお宝を恩林寺へご寄贈いただきました

京都、山科に住む綱島資長さんは職場が同じで50年来のお付き合いです。
彼は篆刻の趣味があり、リクエストを受け付けてくれます。
お寺のハンコ、雅号印、監房印など時々お願いすると「私は、趣味でハンコ造りをしているので代金はいりません。」
何度もその恩恵に預かってきました。
先日、一通の分厚い手紙が届きました。なんだろう?
彼は時々、中国へ旅行に出かけるので、その写真かな?と思いきや彼が精魂込めて篆刻した大作の印影が入っていました。
手紙には、篆刻の先生がお年を召したので教室が閉鎖となり、自分も作品を持て余しているので、お寺さんに寄付を申し出たいとのこと。
和尚さんのお好きなのをご指名くださいとのもったいないお言葉。
新堂とも相談の上いくつかをお願いすると「やはりお寺さん好み、というのがあるのですね。仲間にもお寺さんや、書道家の方たちも何人かおられました。」とのこと。
早速に立派な作品が送られてきました。
えっ。これをどこに押すの?と思われるかもしれませんが、まずはお披露目を。

古田住職

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皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。