仏説療痔病経

仏説療痔病経
仏説療痔病経

様々なお経や仏教書を読んでみたい恩林寺の小僧です。

私が大学の長期休みとなり帰省する際に、療痔病経を両親から頼まれて購入してきました。
当時は言われるがままに藤井文政堂さんにて購入してきただけでした。
その後、親に借りて読んでみて『あっ、自分の分も入手しておけばよかった…』と後悔😭

療痔病経

仏説療痔病経とは、三蔵法師義浄により翻訳されたお経と真言のことです。
略して療痔病経と呼ばれることのほうが多いかもしれません。
お釈迦様がいた王舎城の竹林精舎では、従者の多くの比丘が痔病に苦しんでいたといいます。
阿難がそれを見かねて、お釈迦様に痔病の治療方法を懇願しました。
お釈迦様は因縁から説法を行い、同時に痔病を取り除く陀羅尼、真言を伝えたそうです。
それこそが仏説療痔病経なのです。
心を込めてこの経を唱え、他人にも広めれば、痔病は除かれるとされています。

佛説療痔病經

大唐三藏義淨奉制譯だいとうさんぞうぎじょうぶせいやく

如是我聞にょぜがもん 一時薄伽梵いちじばがぼん 在王舍大城竹林園中ざいおうしゃだいじょうちくりんおんちゅう 與大苾芻衆よだいびっしゅしゅう 五百人倶ごひゃくにんく
時有衆多苾芻身患痔病じうしゅたびっしゅしんげんじびょう 形體羸痩痛苦縈纒ぎょうたいるいそうつうくようでん 於日夜中極受憂惱おにちやちゅうごくじゅうのう
時具壽阿難陀じぐじゅあなんだ 見是事已詣世尊所けんぜじいけいせそんしょ 頂禮雙足在一面立ちょうらいそうそくざいいちめんりゅう
白佛言世尊びゃくぶつごんせそん 今王舍城多有苾芻こんおうしゃじょうたうびっしゅ 身患痔病形體羸痩しんげんじびょうぎょうたいるいそう 痛苦縈纒つうくようでん
於日夜中極受憂惱おにちやちゅうごくじゅうのう 世尊此諸痔病云何救療せそんししょじびょううんがくりょう 佛告阿難陀ぶつごうあなんだ 汝可聽此にょかちょうし 療痔病經りょうじびょうきょう
讀誦受持どくじゅじゅじ 繋心勿忘けしんもつもう 亦於他人やくおたにん 廣爲宣説こういせんせつ 此諸痔病悉得除差ししょじびょうしつとくじょしゃ
所謂風痔しょいふうじ 熱痔ねつじ 癊痔おんじ 三合痔さんごうじ 血痔けつじ 腹中痔ふくちゅうじ 鼻内痔びないじ 齒痔しじ 舌痔ぜつじ 眼痔げんじ
耳痔にじ 頂痔ちょうじ 手足痔しゅそくじ 脊背痔せきはいじ 糞門痔ふんもんじ 遍身支節へんしんしせつ 所生諸痔しょしょうしょじ 如是痔瘻にょぜじる
悉皆乾燥しっかいかんそう 墮落消滅だらくしょうめつ 畢差無疑ひっしゃむぎ 皆應誦持かいおうじゅじ 如是神呪にょぜじんじゅ 即説呪曰そくせつしゅわつ 

怛姪他たにゃた 頞闌帝あらんでい 頞藍謎あらんめい 室利鞞しりべい 室里室里しりしり 磨羯失質まかしっしつ 三婆跋覩さんばばと 莎訶そわか 

阿難陀あなんだ 於此北方おしほっぽう 有大雪山王うだいせつせんのう 中有大莎羅樹ちゅううだいしゃらじゅ 名曰難勝みょうわつなんしょう
有三種華うさんしゅけ 一者初生いちしゃしょしょう 二者圓滿にしゃえんまん 三者乾枯さんしゃけんこ 猶如彼華ゆうにょひけ 乾燥落時かんそうらくじ
我諸苾芻がしょびっしゅ 所患痔病しょかんじびょう 亦復如是やくぶにょぜ 勿復血出もつぶけつしゅつ 亦勿膿流もつぶのうる 永除苦痛ようじょくつう 悉皆乾燥しっかいかんそう
又復若常うぶにゃくじょう 誦此經者じゅしきょうしゃ 得宿住智とくしゅくじゅうち 能憶過去のうおくかこ 七生之事しちしょうしじ 呪法成就莎訶しゅほうじょうじゅそわか 又説呪曰うせつしゅわつ

怛姪他たにゃた 占米せんめい 占米捨占米せんめいしゃせんめい 占沒儞捨占泥せんまねいしゃせんでい 莎訶そわか

佛説是經已ぶっせつぜきょうい 時具壽阿難陀及諸大衆じぐじゅあなんだぎっしょだいしゅ 皆大歡喜かいだんかんぎ 信受奉行しんじゅぶぎょう 佛説療痔病經ぶっせつりょうじびょうきょう

療痔病呪

浄厳和尚の『普通真言蔵』にある療痔病真言もご紹介します。
病に罹患されている場合は、この療痔病呪を念誦するだけでも良いとされています。

療痔病真言

たにゃた あらんでい あらんめい しりべい しりめい しりめい
まかつ しっしっ さんばと そわか

又の真言

たにゃた せんめい せんめい しゃせんめい 
せんまでい せんまでい しゃせんめい そわか

儀式について

儀式どおりに心から誠意をもってこの経と真言を唱えれば、悪性疾患を治せると伝わっています。酒・肉・邪淫・妄語・五辛を断ち、布施と放生をすれば更に効果が増すそうです。

その1️⃣

毎日お経本文を1回もしくは3回、真言を21回もしくは108回唱える。
すると病苦災難を取り除けるとされます。

その2️⃣

体にどこか痛い場所があれば、一杯の浄水を仏に供し、そして1回の経、108回の陀羅尼を唱える。そしてその水を二杯に分け、一杯は飲み、一杯は痛いところに塗る。
その際に注意すべき点として、供した浄水は直接使用してはいけないということです。
供した後に自身の器に入れかえてから使用してください。

五辛

五辛ごしんとは五つの辛味ある野菜のことで、ニラ・ネギ・にんにく・らっきょう・生姜のこと。
楞厳経りょうごんきょうに、この五種の辛味を熟して食すと淫がめばえ、生で食すと怒りが増し、十方の天仙はこの臭みを嫌い離れてゆくと書かれています。
読み方を某カレー店での5辛と間違えてしまいそうですね😅

小僧さん

自身が病に侵された時はとても苦しいですね。
しかし、周囲に病人がいるともっと苦しくなりませんか?
私は正月に起こった震災の日から毎日、この経を読み続けています。
被災地で病に苦しむ人が、少しでも和らぎますように…🙏

小僧合掌

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。