先日はハロウィン

なりきる
なりきる

普段からコスプレしている恩林寺の小僧です。

先週はあのイベントがありました!
そう、10/31ハロウィンです!
私は普段から法衣というコスプレをしているので、今年は猿に変装しようかと思っていたのですが…え?普段から猿だって?
私はお尻は赤色ではありません。
まだ「けつ青」状態です!

なりきる

ハロウィンになると東京の街では、お化けやアニメキャラなど、多種多様な人々で溢れます。
今年の渋谷区では「ハロウィン目的で来ないで下さい」と区長が宣言したほど…。
コスプレイヤーと言われる人達は、そのキャラになりきっています。
私もアニメが好きなので、テレビで映るたび、すごいなあと尊敬しています。

しかしこの「なりきる」という行為には、奥深い意味があるのです。
禅問答で、私は「◯◯になりきりなさい」というお題が出されました。
ほうきを持って、箒になりきりなさい。
坐禅をして、仏になりきりなさい。
合掌をして、その両手になりきりなさい。
正直、意味が分かりません。
箒になる?両手になる?私は人間ですよ!?と、言いたくなりました。

その物になってみて分かること

私たちは私たちの視線で物を見てしまいます。
野球ボールは投げる物。地面は踏んで当たり前のもの。
しかし、その物に自身がなりきってみるとどうでしょうか?
投げられる恐怖、踏まれる痛み。
色々な見方や考え方が生まれてくると思います。
普段の生活で分からないものが、その物の立場で考えると分かることがあるのです。
怒ると物にあたってしまう人がいます。
まだ使えそうなものを、簡単にゴミ箱に捨ててしまう人がいます。
今一度、自分自身が物だったら…。そう思えると大切に扱えるようになると思います。

なりきるとは

例えば縁側で、綺麗な庭を見ながらお茶を楽しむとします。
庭を見ている時、お茶に集中できるでしょうか。
反対に、お茶を飲む時、庭を見ることができるでしょうか。
庭とお茶、同時に楽しんでいるはずなのに、行動は一つずつしか出来ません。
しかし、どちらも交互に集中しているからこそ、ホッとできるのです。

ほうきになりきると言われても、人間である以上、変身できません。
両手になることも不可能です。
しかし、掃除に集中しているうちに、ふと気づくと箒と自分の手が一体化しているように感じます。
合掌してお参りしている時、両手を意識しなくても勝手にくっついています。
全力で物事に取り組むと、自然に「なりきる」ことが出来るようになるのです。

坐禅をして、仏になりきる。
きっと、座っていると、自分自身が仏になるのでしょう。
まだ私には分からないところだらけです。
修行が足りておりませんね!

小僧さん

昔はよく、仮面ライダーになりきっていました。
悪者役の父や祖父をやっつけていたものです。
今になっては変身ベルトはありませんが、法衣や袈裟というコスプレをして、皆さんのヒーローになれたらいいなと思っています。
そのためにも坐禅をして、心を落ち着かせ、目前の物に集中していきます。

小僧合掌

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。