暗証

インターネットをよく使う恩林寺の小僧です。

最近、インターネット関係のニュースをよく見かけます。
寿司店に対する迷惑動画や個人情報などの流出が問題となっています😡
僕たちは、自分のことは自分で守るように教えられています。
対策のうちの一つとして、「暗証番号」というものがあります。
銀行などのカードやインターネットでは自分のアカウント(個人情報)を保護する為に必要不可欠で、今ではスマートフォンなどでも利用しています。

暗証

この「暗証」という言葉、元々は仏教用語として使われていました。
正しくない、根拠のない(暗い)悟り(証)という意味で使われています。
例えば師匠に認められていなくとも、自分で悟ったと勘違いをしたり、間違った方向へ進んでいてもこれが正しいと言い張ったりすることです。
世の中には「私は悟りました」と言う僧侶が沢山いますが、その中の一人のお坊さんの話。
「お経にはどんな事が書いてあるの?」と訪ねると「死んだら分かります。」と返答された僧がいたそうです。
悟った人がお経の意味すら知らないことはありえるでしょうか?
僕は違うと思います。
色々な努力をして、色々な考えを持って、それでも悟るというのは難しいことだと思います。
お釈迦様でさえ苦労なされたのです。
僕たちにとっては凄まじい距離を歩くようなものだと思っています。

完全他力

自力では難しい方のために浄土真宗の『完全他力』という教えもあります。
「南無阿弥陀仏」と唱え、阿弥陀様にお願いする。
それだけの事で、その人は極楽という世界へ行けるという教えです。
極楽は、修行をするには「極めて楽な」場所と言われています。
どうしてもこの世の中は誘惑だらけです😏
僕も「あれが欲しいなぁ😣」「あの人はいいなぁ😮」などという想いが出てきます。
それではとても辛いので、阿弥陀様は極楽という場所を用意し、優しい世界で修行をして悟れば良いのではないかと考えました。
阿弥陀様にお願いすれば、例え悪人だろうと極楽への切符を渡す(チャンスを与える)と話されているのです。

暗証の別の言い方

『暗証』を言い換えるとすると『自惚れ』になるそうです。
きっと「あの人は〇〇できない」と見ている時があると思います。
更に出来ていない姿に腹が立つこともあるかと思います。
その状態が『自惚れ』なのです。
『自分は出来るから、あの人ができないのはおかしい』
こう思うのは、自分が出来ると思い込んでいるからです。
例え自分で行える物事だとしても出来ることへの感謝を忘れなかったら、他人を卑下することは無いと思います。
「自分は誰かのおかげで出来るようになった。」
「だから、次は出来ていないあの人のためにしてあげよう」
この気持ちが自惚れや暗証を消すことになり、更に『思いやり』にも繋がってくるのです。
先ほど話した極楽でも、自惚れる人がおられるそうで、その人はすぐに人間界を通り越して地獄に落とされるそうです。
他人が未熟に見えるのは自分が悟っていると勘違いしているからです。

7つの自惚れ

仏教ではこういった自惚れが7つあると言われています。
以前の記事にある七慢がそれにあたります。

常に謙虚な生き方を心がけたいものだと改めて思います。

暗証の変化

暗証は正しくない悟りという意味から、他人には通じない悟り(証)という意味に変化しました。
更に『他人には通じないもの』という否定的な見方から『自分だけには通じるもの』という肯定的な考え方に変わっていきました。
そして今では『自分だけに通じる番号』ということで『暗証番号』という言葉が生まれたわけです。
最近は色々な犯罪が増えています。
オレオレ詐欺から悪質な手口を使った犯行、迷惑行為、人を不快にするような言動など、多くのことがニュースで流れています。
もちろん暗証番号安全に守ることも大切ですが、まずは誰かのために生きることを目標に頑張っていけたらいいと思っています。

小僧さん

小僧はよく、インターネットを使用します。
くれぐれも悪い事には足を引っ張られないよう、気をつけて過ごしていきたいと思っています。

小僧合掌

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。