笑う門によく居る恩林寺の小僧です。
禅語
皆さんは『阿呵呵』という言葉をご存知ですか?
間違っている漢字を探すクイズではありませんよ。
これは、「あかか」と読み、笑っている様子を表すのです。
これは我ら禅宗の言葉、「禅語」です。
同じ日本語のはずなのに難しいですよね…。
僕もこれを見た時、なんて読むのかすら分かりませんでした。
そんな難しい言葉がすらすらと並んでいる本があります。
それは『禅林句集』といいます。
禅林句集
辞書のようにあいうえお順に禅語が並んでいるこの本。
多くの言葉を知ったきっかけを与えてくれました。
ですが、『へぇ~』と思いながら読んでいると、様々な禅語を知りたくなっていきました。
物語のように読む本ではないのですが、その魅力は深く小僧はその本の虜になりました。
この本をずっと読み進めていくと、心を動かされた印象的な禅語がありました。
若是鳳凰兒不向那邊討
若し是れ鳳凰見ならば那邊に向つて討ねず。
『正しい僧侶であるならば、他に道を求めることはない。』 という意味です。
この言葉に鳳凰とあり、自分の名前が入っていて気になる程度でした。
しかし、何度も繰り返し読んでいると色々な想いが浮かんできました。
そして意味を考え始める自分がそこにいました。
この言葉には『他に道を尋ねない』ということは、『自分は一本道、つまり正しい道を歩いていく』という意味が隠されているのです。
これは、自身の決意が書かれている禅語なのです。
同訓異字
決意とは自分の意志をはっきりと決めること。また、その意志。と辞書に書かれています。
この意志という漢字には同訓異字の『意思』という漢字もあります。
使い分けが難しいですが、意思は思いや気持ちを表す場合に使われるようです。
意志は行動に移そうという思考がより強い場合に用いるようです。
であれば、まず思いそして行動に…ということではないでしょうか?
正思惟
お釈迦様が悟りにいたるための正しい実践行として説いた八正道。
その二番目になっているのが正思(正思惟)です。
正しい決意の意味で、簡単に言えば正しい思いになるでしょうか?
自己中心的な考えを捨て、三毒(貪瞋痴)に惑わされることなく正しく考えましょう。
また、正しい判断をしようという思いです。
正しい意図や動機を持って生きましょうとお釈迦様は説かれたのです。
なんて言う小僧も、まだまだ悪い気持ちが出てきます。
他人を羨んだり、自分を否定したり。
そんなことばかりしていると、きっと仏さんからバチが当たりそう…。
阿啷啷(痛い痛い)とならないように精進していきます!
小僧合掌
正見・正思(正思惟)・正語・正業・正命・正精進・正念・正定