四苦八苦

最近忙しい恩林寺の小僧です。

学校の卒業論文に追われ、バイトに追われ、デートにも追われている?日々を過ごしています。
のんびりしたい!なんて思っても出来ません。
そういう時は辛くなります😭
そんな経験、皆さんは無いでしょうか?

苦しみとは

思うようにいかず、苦労している様子を「四苦八苦する」と表現したりします。
まず、苦とはサンスクリット語の『悪い』と『状態・運命』を足した言葉です。
阿毘達磨あびだつま(古い仏教文献)から『自身ではどうにもならないこと』となるようです。

四苦

『四苦』とは人生の苦しみを大きく4つに分けたものを指します。
涅槃経ねはんぎょうには『生老病死は常に来たりて人を切る。』とあり、増一阿含経ぞういつあごんきょうには『生老病死は世の常法なり。』と説かれています。

増一阿含経

およそ520経の仏教の漢訳『阿含経』の1つのこと。

生苦

生きる苦しみを『生苦しょうく』といいます。
小僧のお話はジョークが多いですけど…😅
生き続けていくには多くの時間を労働に当てなければ生活できません。
労働には責任が後からついて回ってきます。
また生まれてから死ぬまで、その歩みを止めてはいけない…。
生きるということは苦しみだということです。

老苦

老いていく苦しみを『老苦ろうく』といいます。
幼い頃は「早く大人になりたい」と考えがちです。
若い小僧ではわからない部分でもあります。
ですが周りの方々の話に耳を傾けると少し想像できます。
「物覚えが悪く、忘れることが増えた」・「動きが鈍く、疲れやすい」
「白髪が増え、シワで醜くなった」・「歳の近いご近所さんや友人が亡くなっていく…」
老いていく=できたはずのことができなくなっていく。
これは大変な苦しみなんだと思います。

病苦

病による苦しみを『病苦びょうく』といいます。
若いから病気にならないとは言いませんが年齢を重ねる毎に病気にかかりやすいようです。
病院で処方されている薬でおハジキができそうだ…なんて話も聞きました。
厚生労働省の人口動態統計によると、老衰でお亡くなりになる方は10%に満たないらしいです。
何らかの病を発症し、私達は死へと進んでいくといっても過言ではないようです。

〇〇は風邪を引かない!を実践している小僧です😆

死苦

死の苦しみを『死苦しく』といいます。
死を自覚したとき『生きる意味』が分からなくなり苦しむそうです。
苦労して手に入れ続けた労働対価も、固執し続けた地位や名誉も、意味をなさなくなるそうです。
愛する者たちと永久の別れへの恐怖や、死後の世界の恐怖など、死とは平等に持つ未来です。
そして常に苦しみを纏っているようです。

八苦

四つの苦しみに、もう四つ足して八苦と言います。
この八苦、お釈迦様が説いた『四聖諦ししょうたい』の一番目の『苦諦くたい』のことを指します。
中阿含経ちゅうあごんきょうに『いかんが苦聖諦なる。いわく生苦、老苦、病苦、死苦、怨憎会苦、愛別離苦、所求不得苦、略五陰盛苦なり。』とあります。
苦しいのが増えるの?四苦+八苦=十二苦?ではありませんのでご安心を。

中阿含経

222の経典から構成されている仏教の漢訳『阿含経』の1つです。

愛別離苦

愛する人や物と別れる苦しみを『愛別離苦あいべつりく』といいます。
遺教経ゆいきょうぎょうに『世、皆無常にして会えば必ず離有ることを』とあります。
出会ったからには、どんなに愛する人であっても最後は必ず別れがあります。
デート中は楽しいのに、時間が来たらまた離れ離れ…遠距離恋愛ですぐに会えない…
これらも愛別離苦なのでしょう。
そして、いずれ永遠の別れとなっていきます。

遺教経

お釈迦様が臨終の際に、戒法を守り早くさとりを開くべきことを説いた経典。
禅宗では仏祖三経の一つとして尊重されています。

怨憎会苦

会いたくない人や物と会わなければならない苦しみを『怨憎会苦おんぞうえく』といいます。
仲の良い友人・知人・上司・同僚に囲まれていたとしても…
学生時代には、ムカつく先生(失礼ながら)や、嫌な先輩後輩・同級生に会うことになります。
社会に出れば嫌な上司や同僚、嫌味な取引先など…「会いたくない」では仕事ができません。
自身が親になっても嫁姑問題の様な人間関係に会ったりします。
そして死と対面することからも逃れられません。

求不得苦

求めるものが得られない苦しみを『求不得苦ぐふとくく』といいます。
欲しいものがあっても懐事情で、その多くは我慢しなければなりません。
受験では定員が決まっている為、希望通りに入れるわけでもありません。
社会人になってからも出世争いに巻き込まれたりします。
私達の『欲』は次から次へと湧いてきて、限度も底もありません。
お金や自身の能力は、限度と底だらけ…苦しいはずです。

五蘊盛苦

肉体あるがゆえの苦しみのことを『五蘊盛苦ごうんじょうく』といいます。
上記にある7つの苦しみの総括!と言えると思います。
苦しみながら生き続けて、生き続けながら老いて…。
老いていきながら病を患い、やがて死を迎える。
愛するものと別れ、会いたいない人に囲まれ、求めるものは手に入らない。
この肉体(五蘊)をもった以上、そこから離れられません。
何のために生まれてきて、何のために生きているの?
そんな疑念に覆われていまい、苦しくなります。

五蘊

し き…すべての物質を指し示し、ここでは身体機能を指します
し ゅ…外界からの刺激を受ける心の作用(外的作用)
そ う…刺激からイメージされる心の作用(外的作用)
ぎょう…イメージしたものについて、何らかの意志判断を下す心の作用(内的作用)
し き…外的作用・内的作用を総合して状況判断を下す認識作用

輪廻転生

「良い子は極楽へ、悪い子は地獄へ」こんな言葉を幼少期に聞いたことがあると思います。
当時の小僧は「地獄は嫌や」と答えた覚えがあります。
私達の住む世界(娑婆しゃば)と極楽と地獄を堂々巡りをしている様を輪廻転生りんねてんしょうといいます。
娑婆とは苦しみに満ちた耐え忍ぶべき世界であり、お釈迦さまが教化する世界のことを指します。
極楽<娑婆<地獄の順で苦しみが増すようで、この3つの世界を此岸しがんと呼びます。
お釈迦様はこの此岸から離れ、彼岸ひがんへ渡ることを教えています。

小僧さん

小僧は、愛別離苦(遠距離恋愛)の真っ最中です😭
しかも、欲しいものも沢山あるので求不得苦です😭
その上、レポートなどもキツいので生苦…😭
色々と嫌なことだらけですね😥
ですが、皆さんで一緒に受け入れ乗り越えていけたらいいなと思っています。

小僧合掌

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
アバター画像
恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。