【第四章 六節】 熱中症

熱中症
熱中症

炎天下の作務と、突然の異変

真夏の日差しが容赦なく降り注ぐ境内。
一年を通して緑を保つ常緑の松は、隠元禅師が「枯れることがない」と植えられたと聞きます。
その生命力は確かに尊いもの。
しかし、作務に励む私たちにとっては、季節を問わず降り積もる松葉が、時に小さな試練に。
特に炎天下での掃き掃除は、体力の消耗が著しく、全身にじわりと熱がこもるような感覚でした。

差し伸べられた温かい手

ある日の夕方、いつものように同夏と共に作務に励んでいた時のことです。
突然、目の前が真っ暗になりました。
気がつけば、私は地面に倒れ込んでいました。
駆け寄ってくれた同夏は、私に「もう休め!」と強く言い、畳の部屋まで運んでくれました。
意識が朦朧とする中、ただひたすら水を飲み、氷で体を冷やしました。
いわゆる熱中症です。

同夏から報告を受けた知客和尚も、飛ぶように駆けつけてくださり、経口補水液などを手渡してくださいました。
仲間たちの迅速な行動と、心からの気遣いが、どれほど私の心を支え、体を回復させてくれたことか。
やがて体調も回復し、無事に作務に復帰することができました。

命の教訓と未来への願い

あの時、私を救ってくださった同夏と和尚のお気持ち、そして行動に、今でも感謝の念が尽きません。
この経験から、日傘の使用が推奨され、日陰での作務が優先されるようになったと聞きます。
皆様もどうか、夏の暑さには十分にお気をつけください。
そして、困っている人がいたら、迷わず手を差し伸べてあげてください。
その行動が、誰かの命を救うことになるかもしれません。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。