頭陀袋108 令和3年6月号

河童禅

檀家さん

頭陀袋105号、読みましたよ。書いてある通り、私も真似してみましたが、意外と落ち着くものですね。
和尚さん、今度はどんなこと心掛けるといいのかな?

檀家さんから早い反応がありました。私はうれしくなって、次のような話をしました。
もちろん、私流の禅でよいのですが、五木寛之さんの著書にこんな話がありました。

ある娘さんが数年来、咳が止まらず悩んでいました。
「重病という訳ではないのですが、漢方や西洋医学、針、灸、整体、ローヤルゼリーの服用、ヨガなど通ったが一向に良くならないのです。」と、言う。
その時、ふと気が付いたのが娘さんの呼吸のしかたでした。
「呼吸をする時、どこで吸っていますか?」
「どこでって口です。」
「吐くときは?」
「やはり口ですね。」
「ずっとそうしてこられたのですか?」
「たぶんそうです。普段はそれを意識せずにやっていますが。」 
「エッ?口は食べるところで息をする場所ではありません。」

かくして五木さんは娘さんに説明したといいます。

「私たちが吸い込む外気はディーゼルエンジンの排気だけでなくあらゆる不純物が混入しています。口で空気を吸うのはのどの粘膜や呼吸器に直接汚染物を塗りたくるようなものです。
鼻腔には鼻毛やフイルターのような粘膜があって空気をろ過する働きがあります。
汚れや空気を直接、肺に送れば拒絶反応として咳になって出てくる。
私は、素人ながらそう感じますが…」
こうして試しに、本人に10分間ほど口を指でとじさせ呼吸をしてもらった。そして実に不思議なことが起こりました。
このことがあってから、あらゆる手を尽くし、いろいろな方法でも治らなかった娘さんの咳はピタリと止まったそうです。

口は食べるところ 鼻は呼吸をするところ
当たり前のことが当たり前のように行われるのが一番です。

先日、京都寺町の遊歩道を歩いていましたらある判子屋さんの店先に、河童の座禅ハンコが眼に止まりました。
「これだ。」
河童は、頭の皿から、水がこぼれないように、頭のてっぺんを平たくして座る。
こうすれば背筋も伸びる。呼吸も定まる。
「おじちゃん。河童禅だよね。」
と、私は申し上げた。

今月の言葉

日本の伝統文化を大切に遺してゆくことが国の安泰につながる

『新しいものを取り入れる、しきたりを壊す事が前向き』と、とらえられがちですが、私たちの祖先が築き上げてきた伝統、もののとらえ方には素晴らしいものがあります。
宝物まで放り出してはいけません。

古田住職

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。