雪またじに疲れた恩林寺の小僧です。
先週はかなりの積雪になりました。
朝から雪またじ、夜も雪またじ…。
(またじというのは、飛騨の方言で「片付けや掃除」という意味です。)
まだまだ降雪が続きそうですので、安全運転を心がけていきたいものです。
目次
雪国の七道具
高山のような山岳地域では、冬が始まる前に除雪道具を用意します。
各家庭に1つは常備しているものから、稀に使う物もあります。
今回はそれらを紹介したいと思います。
スノープッシャー
丸いカーブが先端に付いており、名前の通り雪を押し出してくれます。
よく「雪かきスコップ」等と言われます。
メインで使用し、壊れやすいため、1年に1回購入する方もおられるそうです。
スノーダンプ
端に寄せた雪を運んでくれるお助けアイテム、別名ママさんダンプです。
プッシャーとダンプは各家庭に一台常備している事が多いと思います。
先週のような大雪の際は、一気に運べるスノーダンプが大活躍します。
しかし雪の乗せすぎに注意!重たすぎると動かせません(汗)
プラスコップ
軽い雪や積雪が少ない時は、軽いものでササッと終わらせます。
粉雪程度だったら竹箒で掃く方も。
プラスコップは安価でもあり、都会地域でも持っておくと便利かもしれません。
金属製スコップ
氷を割ったり、重たい雪を運んだり…。
プラスコップだと欠けてしまう為、鉄やアルミのスコップを使います。
冷え込んで雪が凍ってしまった時、金属製スコップで割ると気持ち良く取れますよ。
最近はアルミスコップが主流になってきています。
時代の変化と共に軽量化されていますね。
ツルハシ
氷を割る目的で、数軒に一つある所が多いと思います。
特に2~3月は、雪に隠れていた氷が出現します。
車のスリップ事故にも繋がるため、氷を割ることが多いです。
金属製スコップでも割れない氷があるため、必要不可欠です。
雪下ろし棒
屋根の雪が積もってしまうと大変です。
雪庇や氷柱が落ちてくると死に至る可能性も…。
ということで、私たちは定期的に雪下ろしをします。
長い棒を使い、下から少しずつ落としていきます。
屋根に登り、スコップで落とす方法もありますが、滑る危険があります。
また、車用の雪下ろし棒は荷台に常備しています。
スーパーで少し買い物しただけで車に積もってしまいます。
どこでも下ろせるようにしています。
除雪機(雪とばし機)
一般家庭にはありませんが、職場や農家の方たちが持っていることが多いです。
前に回転刃が付いており、吸い込んだ雪を好きな方向に飛ばしてくれます。
地面との接触を避けたり、車体を持ち上げたりと、コツは入りますが便利な道具です。
先週の大雪では大活躍でした。
早朝の道路では大型の除雪機が走ります。
冬になる前に各地の倉庫から出て点検を行っています。
見た事がない方にとっては圧巻の景色ではないでしょうか?
この間の出来事
先週、雪またじをしていると、近所の方に声をかけられました。
話を聞くと車で踏んでしまったようでした。
私はもちろん即答し、お貸ししました。
私は大雪で困っていた為、

ダンプってお持ちではないですか?

持っとるぞ!貸してやるわ!
早々に取りに行って下さいました。
雪国あるあるではありますが、私は心が温かくなりました。
これこそ、思いやりであり、お互いさま、おかげさまであると感じたのです。
誰かが困っている時にそっと手を添えられる、それだけで幸せだと感じました。
その後はお互い無事に雪またじを済ませ、近所の方は一言嘆いて帰っていきました。

こんな大雪の中でスコップ買いにいってくるさ
「こんな大雪の中でスコップ買いにいってくるさ」と嘆いて帰っていきました。
昔の除雪道具

雪深い飛騨地方では、”バンバ”と呼ばれる雪よけの道具がどの家庭にもあったそうです。
木製の板を握りやすく加工したものになります。
写真は飛騨の里で展示されたンバンバです。
このバンバ、雪よけだけの道具ではありません。
というのも、節分の時に大活躍したものなんです。
鬼の絵を描き、柄の部分に13本の筋を描いて入口に立てておきます。
家の中に入ろうとした鬼はバンバの筋の数と1年の月の数が合わないことを不思議がり、幾度も数え直します。
そのうちに夜が明けてしまい、鬼はそのまま帰ってしまうそうです。

私も困っている時は誰かに助けられているように、誰かが困っている時こそ、自ら手を差し伸べたいと思います。
雪はまだまだ降りそうです。
ぜひ、除雪七道具を見たい方は高山へお越しください!
小僧合掌🙏
スコップ(プッシャー)が割れたんやさ〜。
お兄ちゃんの貸してくれんけ?