頭陀袋147 令和6年9月号

高山市冬頭町にある東等寺

ひけらかさない。

最近読んだ本のなかに禅、シンプル生活のすすめ。と、題し曹洞宗の和尚さんが書いておられる中に素晴らしい一節がありましたのでご紹介いたしましょう。

黙っていても伝わるのが本当の魅力

自然と周りに人がたくさん集まってくる。
そういう魅力を持った人がいるものです。
オーラとでもいうのでしょうか?
以前、座禅会で「姿より香りに生きる。」という話をしました。
寒い冬を乗り越えて梅の花が咲き、何とも言えない香りを漂わせています。
花の香りは風に逆らっては進みません。
ただ風に任せて香りを運んでいます。
しかし、徳ある人の香りはすべての方向に香るもの。
人間の魅力やオーラというものは不思議なことにあらゆる方向に向かって香りを放つものなのです。
人はとかく裕福になったり高い地位についたりすると、そのことを自慢したくなるようです。
でも黙っていても本当の魅力は自然に伝わるもの。
「あのひとのおかげで。」と、感謝される様な生き方、「あなたでなければ。」と、望まれるような生き方、梅の花のように派手ではないけれどもよい香りを周りに漂わせるような生き方をしたいものです。

この文章は三笠書房様の承諾を得て転載しています。

和尚の昭和、下岡本を語る

下岡本の公民館の役割をした倶楽部くらぶと言うのは現在の清水商事スタンドの前辺りにあり、平屋建ての管理部屋があり、クラブのおばさんが住んでいました。
おばさんは瀬木のおばさんと言って、とても面倒見のよい人でした。
倶楽部には奥の部屋があり、広い囲炉裏を囲んで町内の寄り合いや、消防団、青年団、改良組合、婦人会などが利用し、まさに倶楽部でした。
富士踏切より西は下岡本の本通りで木製の火の見やぐらがありました。
踏切を渡ると道路沿いに坪桶(肥桶)が並び、農繁期になるとそれぞれの家庭で必要なだけ、ここから肥しを分けてもらい、荷車に積んでそれぞれ用途に使ったものです。
田植えの前の荒起こしの前に肥し(人糞)をまく、田の草とりの前にまた、肥しをまく。
今の様に科学肥料を使わない農業でした。
冬に焚く薪は松倉山に山林があり、雪の中を薪引きに行ったものです。
(薪をそりにつけて山から自宅に運ぶのを薪引きと言いました。)
この頃上岡本から下岡本を通り、冬頭の東等寺まで直線道路ができ、白馬線と名付けられました。
後日、白馬線は高山バイパスとして拡幅され現在の形ができました。
この当初計画を考えた人はどんな人でしたでしょうか。
すごい先見の目があった人に違いありません。

古田住職

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。