覚悟

ハゲの刃
ハゲの刃

優柔不断な恩林寺の小僧です。

最近、生活していると「決断と行動の繰り返しだなあ」と思うことがあります。
やるかやらないか取捨選択することが次から次へと降ってくるように感じます。
その度に悩んでいたら、問題ばかり増えていきます。
実際、私は優柔不断な性格のため、どうしたらいいか分からなくなってしまう時があります。

判断が遅い

アニメで一躍有名になった「鬼滅の刃」。
戦った鬼を殺せなかった主人公の炭治郎に対し、その師匠・鱗滝左近次うろこだき さこんじが叱責する場面にこんな言葉があります。

鱗滝左近次

判断が遅い。お前はとにかく判断が遅い。
朝になるまで鬼に止めを刺せなかった。なぜか?お前の覚悟が甘いからだ。

鬼が人を食べる世界で心優しい主人公が立ち向かう物語。
鬼にも心があると思う炭治郎。
私も判断が遅いことがほとんど…。
鱗滝さんに怒られてしまいますね。

覚悟を決める

人生で悩んだことがない人はいません。
問題は必ずあり、行動を選択していかねばなりません。
しかし、ずっと足踏みをしていたら一歩も前へ進めなくなります。
やはり「覚悟を決める」時が来るのです。

私も僧堂へ入る時は覚悟を決めました。
便利な世界から不便な世界へ。
その様子は頭陀袋121号の雲水日誌に記載してあります。

決断をするということは後悔や責任という言葉も付いてきます。
あの時こう決めなければ良かった。
そう思うときもあるでしょう。
しかし覚悟は別物だと思います。
何があっても自分が責任を取るつもりで行うのが覚悟だと思います。
だからこそたとえ失敗しても後悔ではなく反省に繋がるのではないでしょうか。

仏教的な覚悟

辞書などで「覚悟」を調べると、もう一つの意味が出てきます。
「覚めて真理を悟ること。」字の通りですが、よく分かりません…。
実は「不覚から覚め、迷いから抜けて悟ること」を覚悟と言います。
不覚は仏の知恵を知らない状態、無明を意味する言葉です。
つまり、仏法に触れて理解し、欲や煩悩から抜け出すことを覚悟と呼ぶのです。

「悟り」と聞くと難しく捉えてしまいがち。
しかし悩みの世界から抜け出すことだと考えると、案外単純なのかもしれません。
優柔不断に足踏みするより、覚悟を決めて一歩ずつ仏へ近づいていきたいと思っています。
また以下のような側面から「覚悟」を考えることができます。

無常

この世のすべてのものは常に変化し、不変なものはないという真理を深く理解し、執着を手放す覚悟です。
失うこと、変化することへの恐れから解放され、今この瞬間を大切に生きる姿勢につながります。

苦の受容

人生には苦しみや困難がつきものであるという事実を受け入れる覚悟です。
苦しみを避けようとするのではなく、その本質を理解し、苦しみから学び、乗り越えていく強さを養います。

無我の理解

自己という固定された実体はないという仏教の根本的な教えを理解する覚悟です。
「私」という感覚に囚われず、他者との繋がりや相互依存性を認識し、利他的な行動へと繋がります。

菩提心の発起

自らの悟りだけでなく、一切衆生の救済を願う心を起こす覚悟です。
他者の苦しみに寄り添い、共に悟りを目指すという慈悲の心が根底にあります。

精進

悟りに向かって弛まず努力し続ける覚悟です。
日々の修行や善行を積み重ね、心の浄化と智慧の向上に努めます。

捨離

煩悩や執着といった、悟りを妨げるものを手放す覚悟です。
物質的なものだけでなく、感情的な執着や固定観念からも自由になることを目指します。

まとめ

深い知恵によって物事の本当の姿を知り、苦しみから抜け出す方法を理解した上で、「これから、この理解に基づいて生きていきます」という、自分自身との大切な約束のようなものです。

そして、自分の生き方全体を通して、その約束を守り、責任を果たしていくことを意味します。
具体的には、真理を理解する。(世の中の本当の仕組みや、苦しみが生まれる原因を知ろうとすること。)
苦しみを乗り越える(自分の苦しみだけでなく、周りの人の苦しみにも寄り添い、それをなくすために努力すること。)
他者を慈しむ。(全ての生き物を大切に思い、優しい気持ちで接すること。)
悟りを目指して精進する。(より良い自分になるために、学び続け、努力し続けること。)
これら全てを含んだ、心のあり方全体が、仏教における「覚悟」と言えるでしょう。

小僧さん

悩んでやらずに後悔するなら、やって後悔しろ!
学生の頃、先輩に言われた言葉です。
何かしら行動しておけば、たとえ失敗しても自分なりの反省や勉強につながります。
判断が遅い私ですが、「やらない」ということは避けていきたいと思っています。
覚悟を決めて生活していきます。

小僧合掌🙏

追記:鬼滅の刃、私のおすすめです!ぜひご覧になられてはいかがでしょうか?

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。