夏休みが欲しい恩林寺の小僧です。
そろそろ学校は夏休みの時期になります。
子供達を見ていると、なんだか懐かしく感じます。
ラジオ体操やプール、なかなか終わらない宿題など、沢山の思い出があります。
セミの思い出
その中のひとつに、セミを取った思い出があります。
祖父と山へお出かけしました。
網と虫かごを持っていき、早速セミ取りに挑戦!
しかし、私は飛ぶ虫が苦手なため、避けてばかりでなかなか取れませんでした。
しかし、近くで見てみると目がクリクリとしてて可愛い生物です。
観察のみで帰宅しました。
セミの寿命
帰り道、祖父より教えて貰ったことがあります。
「セミは夏しか生きることが出来ないんやよ?だから今のうちにたくさん見とかんといかんね!」
成虫になってからは1週間から1ヶ月ほどしか生きられないそう…。
季節や天候、外敵などが関係するそうです。
セミに関して、このような言葉が残っています。
曇鸞大師という中国の僧侶の言葉です。
荘子という方の思想(道教)の引用と言われております。
「蟪蛄(セミ)は春や秋を知らない。だから夏も知るわけがない。」という意味です。
何故、夏に生きているのに夏を知らないと言っているのでしょうか?
見方の違い
私たちは春夏秋冬を知っています。
春が来れば梅雨が来て、夏が終われば秋がやってくる。
季節の移り目を知っているからこそ、夏を知っているのです。
セミは成虫になるまでは色々な季節を過ごします。
しかい成虫してからは長くても1ヶ月ほどしか生きられません。
つまり、物心ついた頃には夏になっているのです。
セミは今生きている時間を夏だとは認識せずに死んでいくのです。
だからこそ、今という時間を大切にしているのでしょう。
夏になると、うるさく感じるほど精一杯鳴いています。
今を生きることをセミは知っているようです。
私たちは今を大切にしているでしょうか?
将来が不安になったり、過去の事を後悔したり。
生きている時間は今しかないのです。
そして、その今はもう既に過去になっていってしまうのです。
私たちもセミを見習わないといけないですね。
曇鸞太師
インドから日本の親鸞さんまで正しい念仏を教え伝えた7人の高僧のうちの1人。
お釈迦さまの家系の苗字である瞿曇から「曇」。
そして、めでたい鳥の名前「鸞」から名付けられました。
中国の北方に住んでましたが、名前は南方まで伝わるほどの賢い方だったと記されています。

セミは成虫してからの期間は短い…
しかし生まれてから育つまでは時間がかかります。
精一杯鳴くための準備をしているのです。
私たちも将来のために今を生きています。
過去の反省をしながら、未来の目標へ向かいながら…
今を大切に生きていきたいものですね。
小僧合掌
蟪蛄春秋を識らず、伊虫あに朱陽の節を知らんや