【第四章 五節】 庭師になる

【第四章 五節】 庭師になる
【第四章 五節】 庭師になる

軽い気持ちで萬松院へ

知客(師匠)から「道具はいらないから少し手伝ってほしい」と言われ、軽い気持ちで萬松院へ向かいました。
同夏のみんなも簡単な作務だと思って喜んでいたのですが、到着すると知客さんは作務衣姿で頭にタオル。
その隣には、知客さんご自前の作務道具一式が並んでいました。
私たちの喜びは一瞬で「大変な作務になるぞ…」という絶望に変わってしまいました。

庭師になる

早速、知客から「植木の場所を変えたい」という依頼が。
土を深く掘って、根っこから植木を取り出します。
新しい場所も深めに掘らなければなりません。
周囲の苔を大切にしながら、慎重に移動させました。
やっと終わったと思ったら、次のミッションが待っていました。

もう一度庭師になる

「飛び石を動かしてほしい」。
直径80cmほどもある大きな平石を3つも動かすことになったのです。
重たい上に土に沈んでいて、同夏のみんなで力を合わせ、やっとの思いで動かすことができました。
その後も、苔をきれいに整えたり、草を抜いたり……まるで庭師になったかのような一日でした。

夜の座禅

夜の座禅の時間、知客がいつもよりずっと早く終了の合図を鳴らしてくれました。
「今日はお疲れ様。早めに寝て疲れを取ってください。」
その優しいお言葉に、心から救われたのでした。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。