【第四章 一節】 大木

【第四章 一節】 大木
【第四章 一節】 大木

伐採

掃除だけが作務ではありません。
時には力技を使う場面も。
ある日、環境維持の為に僧堂の裏山の木を切るように指示がきました。
私たち雲水は様々な道具を持って登っていきます。
指定された場所に着くと唖然としました。
目の前の光景は竹林と化し、樹齢80年はありそうな杉の木が生えています。
たった4人で日没までに切らねばならないというミッションに驚愕したのです。
早速、ノコギリで竹林を切っていきました。
竹は量が多く、切っても尽きることがない感覚になります。

典座(料理係)がおにぎりとお茶を山まで運んでくれました。
切った竹を器代わりにし、昼ごはんを頂きました。
自然の中のご飯は遠足を思い出しますよね。

大木

午後からは大木との対決です。
チェンソーで外側から切り込みを入れていきます。
切った竹を支柱として使います。
声を掛け合いながら、一本二本と切り倒していきました。
倒れた瞬間の地響きは今でも耳に残っています。
午後6時半、やっとの思いで全部切り倒しました。
達成感を同夏で味わっていると、知客(師匠)に怒られてしまいました。
「木も命。環境維持の為に切られた木の気持ちになってみよ。」
残された株にお酒をかけ、皆で供養をしました。
改めて命というものに向き合った気がしました。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。