【第四章 八節】 土砂作業

土砂作業
土砂作業

土砂作業

雨が降り続いたある日、萬福寺は豪雨に襲われました。

豪雨による境内の被害と緊急出動

境内の松の木は落葉し、廻廊横の排水溝を塞いでいきます。
まるで大きな水溜まりのような状態になってしまいました。
私達は緊急出動。
雨に打たれながら溜まった落葉を回収していきます。
ゴミ袋の中は普段より水分多めで運ぶにも一苦労。
最奥の法堂から山門まで手分けして行いました。

翌日の土砂撤去と地道な作業

その翌日、雨はあがりましたが境内や廻廊には土砂が溜まっています。
竹箒ではなかなか取れず、ゴム箒というものを使いながら作務をしていきます。
足元は汚れ、落葉は手掴み。
石畳の汚れは丁寧に雑巾で拭いていきます。
全身泥まみれになりながら処理をしました。

参拝客の一言と作務の喜び

和尚達は綺麗な衣を身に纏い、綺麗になった廻廊を歩いていきます。
羨ましく感じながら作務をしていると、突然参拝客の方に声をかけられました。
「私たちの為に掃除をしてくださって、ありがとうございます。」
誰かのために役に立てたことが嬉しく、心から幸せに感じました。

誰かの笑顔が支える作務

地道で気が遠くなるような作業も、喜んでくださる方の笑顔を思い浮かべる。
それだけで、格段に速く、すぐに終わるような気がしました。
丸一日かけて処理を完了し、一度汚れた作務衣を洗濯した時。
いつもより輝いて見えたのは、きっとその喜びの光を浴びたからでしょう。
私たちの作業は、決して私たちだけで完結するものではなく、その先にある誰かの笑顔や応援があってこそ、成り立っているのだと改めて感じています。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。