【第三章 十節】 遠鉢 2

【第三章 十節】  遠鉢 2
【第三章 十節】  遠鉢 2

遠鉢、再び…

僧堂修行中に師匠を亡くした同夏がいます。
修行期間も終えていないので、1週間程で戻ってきました。
しかし、誰も管理する者が居ないお寺の劣化は早いもの。
そこで私たちは同夏のお寺で作務をしたいからと禅堂知客に遠鉢をお願いしました。
快諾して頂いた上、知客の同夏の方々も当日来て下さるという有難いお話まで頂きました。

養父寺

養父寺
現在の養父寺

当日、兵庫県の養父寺に到着。
降車すると落ち葉の絨毯が。
参道は雑草だらけ、墓地付近は竹が倒れている状態でした。
各々担当を決めて作務に取り掛かります。
私は落ち葉担当。
側溝や門外まで綺麗にしました。

仏は見ています

黙々と落ち葉の山を作っていると、後ろから同夏に突き飛ばされてその山に埋もれました。
笑う同夏に仕返しをしようとしました。
しかし騒ぎを知った知客の目がこちらに…。
作務衣に落ち葉を纏いながら、自分の作業に戻りました。
しかし仏様は見逃しません。
竹の担当だったその同夏。
切った竹が頭上に倒れてきてました。
それを見た私は大笑い。
和やかな空気感に包まれた作務になりました。
夕方遅くまで時間をかけ、最後は同夏による法要を行いました。
また同夏と一緒に作務をしたいな…恩林寺の落ち葉を見て思い出します。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。