【第三章 九節】 遠鉢 1

【第三章 九節】 遠鉢 1
【第三章 九節】 遠鉢 1

遠鉢

知客(禅堂の師匠)から「自敬寺へ遠鉢えんぱつする」という指示を受けました。
自敬寺は大阪市にある大きな黄檗寺院で、遠鉢とは他のお寺へ行くことをいいます。
私達は外へ出られる事にワクワクしながら準備を開始しました。

知客の車

バスかな?電車かな?という私の期待は見事に消え去りました。
なぜなら、知客の車での移動だったからです。
ひたすらお経が流れ続けるその車内には眠気と戦う同夏の姿。
外の景色を眺める暇も無く、目的地へと到着しました。

自敬寺

早速挨拶を交わし、お寺の中へ。
荘厳な本堂に、塵一つない廊下。
和尚さん方の読経は、声が大きく、所作も丁寧。
私は普段の作務や勤行を反省しました。
法要では、お経の鳴り物を僕も同夏も間違えて失敗。
しかしそこの和尚さん方は私たちを責めません。
「今雲水でいる間に沢山失敗しなさい。」
その言葉は今でも心に刻まれています。
改めて自身の行動と向き合うようになった遠鉢となりました。

禅堂へ

あっという間に時間が経過し、禅堂に戻る時間になりました。
自敬寺さんへ御礼を伝えていざ出発。
車内に流れるお経が同夏二人を眠らせます。
知客含む三人で、今回の遠鉢について話し合いながら禅堂に帰りました。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。