【第三章 六節】 貼庫とご飯

貼庫とご飯
【第三章 六節】  貼庫とご飯

食事

僧堂生活で一番楽しみな時間。
それは食事です。美味しいものを食べると力が湧いてきますよね。
粥座しゅくざ(朝食)には、お粥と梅干しのみが用意されます。
先輩が早く食べ終わる中、私は猫舌で苦戦。
10分で食べなさいと怒られながらお粥を飲み込みました。
斎座(昼食)と薬石(夕食)では一汁一菜が出ます。
お肉や卵は食べられないものの、しっかりとした食事を頂けるのは、とても有難いと感じました。

貼庫

ご飯は「貼庫てっく」という役割が作ります。
私も入堂4ケ月後に任命されました。
得意な料理はキュウリ巻、かぼちゃ練りです。
同夏から好評でした。
機会があれば皆様にもご試食いただきたいと思っています。
しかし、大事件を起こしてしまったのです。
ある日の斎座、私はナスの素揚げを作ろうと思いました。
切り込みを入れて早速揚げましたが、思ったような仕上がりになりません。
おかしいなぁ思いながらも、知客(師匠)、先輩、同夏に提供。
顔をしかめながら食べており、最終的にはトイレへ駈け込んでいきました。
付着した油で腹を壊したそうです。
その後、皆さん無事に過ごしておられましたが、私には「下手貼庫」という名誉ある名前が残ってしまいました。
同夏の作る料理はすべて美味しかったです。
よだれを垂らして次の機会を楽しみにしています。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。