【第三章 五節】 開枕と夜坐

開枕と夜坐
開枕と夜坐

開枕(就寝)

開浴(入浴)後にも坐禅です。
温まった身体がさらに眠気を誘います。
ロウソクの灯りがぼやけて見える頃、終了の合図が聞こえ、太鼓の音が鳴りはじめます。
この太鼓は「開枕太鼓かいちんだいこ」といい、この世全てを眠らせる子守唄のような役割があります。
鳴り響く音を聞きながら、寝る準備を整えます。
法衣を脱いで、枕や布団を出して…。
唯一の灯りであるロウソクを消し、開枕(就寝)となります。
しかし、なかなか寝ることが出来ません。
坐禅時間のあの眠気はどこへ行ったのでしょうか?
公案(禅問答)の質問が気になったり、本日の反省点や明日の不安があったり…。
結局落ち着かなくなり、同夏が寝ている中、私はそっと抜け出しました。
夜坐やざ」へ出かけるためです。

夜坐

ゴザと単布団を持ち、色々な所で坐禅をしました。
そして境内で落ち着く場所を日々探し回りました。
様々な御堂の前へ行ったり、階段の踊り場や東司(トイレ)の前など…。
そして見つけました。
月明かりが凄く綺麗な場所で、不安な時はそこで座るようになりました。
普段は大変な坐禅でも、夜坐は何故か不思議と心が静かに落ち着いていきました。
禅堂に戻り、ぐっすり眠ることが出来ました。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。