頭陀袋170 令和8年8月号

恩林寺山門前の地蔵菩薩像
恩林寺山門前の地蔵菩薩像

禅の言葉 時時勤払拭じじにつとめてふっしきせよ

常に邪念や妄想などの心の塵を払い除き、心を汚さないように努めよう。

心に塵やほこりを積もらせるのが生活の乱れです。
夜間毎日のようにお酒を欠かさず、遅くまで起きており休日になると昼まで寝ている、そんな生活は建て直しましょう。
頑張って朝は早めに起きてきちんと朝食をとる。
乱れを正すポイントは、なんといっても朝です。
朝を正せば、連鎖的に改善できます。

朝の始まりを告げる巡照板

恩林寺では朝五時に巡照版(版木)が鳴ります カッ。カツカツ。

謹白大衆きんぺだーちょん 謹んで大衆にもうす
生死事大せんすすーだ 生死は事大にして
無常迅速うーじゃんしんそー 無常は迅速なり
各宜醒覚こーぎしんきょ 各々よろしく醒覚すべし
慎勿放逸しんうふぁんい 慎んで逸することなかれ

巡照板は黄檗宗では朝一番、皆さんを睡眠から目覚めさせ心も体も前向きにさせる号令という感じでしょうか。
恩林寺の巡照板の揮毫は大寧寺和尚様のものです。
巡照板が鳴りますと、門前も動き出します。
朝課をお詣りくださる方、中学のテニスコートに向かう方、愛犬の散歩のお供の方、門前のお地蔵さまもにっこりです。
邪念など起こりませんよ。

恩林寺山門前のお地蔵さま

さて、恩林寺山門前のお地蔵さまについてご紹介したことがありませんのでそのご縁についてお話いたします。

お地蔵さまをお迎えしたきっかけ

実は二十年ほど前、近郊のご老体からお声がかかりまして

ご老体

実はな、道路工事で居場所がなくなったお地蔵さんを私が預かっているのですがこのままではもったいない。
すまんがあんたも相談に乗ってはくれまいか。

古田住職

お地蔵様は子供の味方。
私どものお寺は中学校の近くですからきっとご利益があると思いますよ。

こうして、山門の前の大きな石の上にお迎えしたわけです。

温かいご縁と人々の暮らし

期末試験頃になると三人の女の子が現れ、リーダーの彼女が、

さあ、さあ、お詣りして。
今度の試験よろしくお願いしまーす。

お願いしまーす。

お地蔵様はすぐ引き受けてくださったかはわかりませんが、にっこり微笑んでおられます。
暫くすると、近所のおばあさんが、お地蔵様が抱っこしている赤ちゃんをかわいがってくださり

おばあさん

和尚さん、この赤ちゃんかわいいな。
私、この子の名前、太郎ちゃんと名付けたんやさ。
おー。おー。太郎ちゃん、今日も元気やなー。

まるで自分のお孫さんをあやしているような感じです。
今でも、お花を変えたり、お賽銭をあげたり太郎ちゃんの大事な、大事なお婆ちゃんです。
お像の側面には大正三年とありますから、太郎ちゃんはもう百十才、沢山のご縁をいただいたことでしょう。
お地蔵様の後ろのサツキは五月中旬になりますと見事に咲き乱れます。
カメラを手にしているとポーズしてくれる学生さんも現れたり。
平和ですねー。

古田住職

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。