2.木庵禅師のご誕生

木庵禅師がご誕生になったのは、中国の明時代も終りに近づいた頃の皇帝・神宗の萬暦三十九年二月三日で、日本では後水尾天皇が天子の御位に即かれ、徳川家康が二代将軍秀忠とともに次第に徳川幕府の基礎を固めつつあった時でした。家康はその後、五年にして死去しました。

禅師のお生れは、南中国の貿易港として栄えた泉州府の晋江で、父上の名は呉卿といい、以上は呉氏の一族から嫁にこられた方でした。生れられました時、両親がつくづくその顔を眺められますと、上唇に二つの歯がのぞいていましたので”達磨子”とあだ名をつけて呼ばれるようになりました。生れながらの禅僧といえましょう。

四歳の時、母を亡くされ、悲しみもまだ癒えぬうちに、翌年には父をも失なわれ、祖母の蘇氏に養なわれることになりました。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。