【第一章 一節】 準備

とうとう連絡が来ました…

本山関係者から「三時から説明いたしますので緑樹院(本山の塔頭寺院)にお集まりください。」との連絡が来ました。
先輩の雲水(修行僧)さん二名と新しく入堂する私と他二名による初の対面が開かれます。
期待よりも懸念や緊張に押し潰されそうな自分がいました。
(同じ時期に入堂する仲間を「同夏どうげ」と言います。)

私は有難いことに恩林寺の和尚さんから様々な教えを頂戴していたお陰で多少の経験がありました。しかし、先輩方からは経験の差を見せつけられました。
同夏からは自分と同じ様な重い空気が流れていました。

あぁ、これから地獄のような生活が始まるんだなぁ

そう感じていました。

説明開始!

雲水さんからの説明が始まりました。
恩林寺での学びが早速役立ち、私への伝授は早く終わりました。
ただ今後の話を聞いただけでも耐えられるかと不安にかられました。

説明会を無事に終えて、次の日の入堂に備えて各寺院へ散っていきます。
塔頭たっちゅうというところで一晩宿泊し、翌朝出発する伝統があるのですが、私の塔頭寺院の和尚が不在の為、黄檗山が貸し出している施設に泊まることになりました。

明日からの畏れに涙しながら寝所へ入ったことを覚えています。
そして翌日、朝四時に出発場所、仮の塔頭である緑樹院へ再び向かいました。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。