豆まきに真剣だった恩林寺の小僧です。
今週末はいよいよ節分ですね。
幼い頃は豆まきに夢中になり、玄関に入ってきた鬼(父)に投げ続けていた記憶があります。
豆まき
以前、とある人から豆まきに関するお話を聞きました。
「私は嫁さんに向かって豆を撒いたんだよ」
夫婦で豆まきをすることになり、鬼役を誰がやるか相談になりました。
そして、その方は「鬼嫁は外〜」と奥さまに向って優しく投げたそうです。
奥さまは怒り、その方を玄関の外に追い出し、こう言いました。
「可愛い私にそんなことを言える貴方は鬼ね、外がお似合いよ」
その方は私に、「結局どちらが鬼なんでしょうか?」などと話しておられました。
本気で怒ってる訳ではないようで安心しましたが、面白い話だと思いました。
しかし、「鬼」って何なのでしょうか?
なぜ、豆まきには「鬼」がいるのでしょうか?
「鬼」の由来
鬼は恐ろしい形相をしています。
皆さんが思い浮かべる姿といえば、角や牙があり、人の形をしていて筋肉隆々。
虎柄のふんどしをして、右手には金棒を持っていると思います。
元々、鬼という字は中国では「死者・霊」を表していました。
日本では見えないものを意味し、『隠』から、オニと呼ばれるようになったそうです。
なぜ怖いの?
鬼は怖い姿や顔をしています。
それは、自分自身の気持ちを体現化したものが鬼だからです。
誰かを妬む時、あなたの顔はどうなっていますか?
恨む時、憎む時、あなたは怖い形相をしていませんか?
地獄では、自分の行った罪に対して罰が決まります。
人や動物を殺した人は、鬼に殺されます。
食べ物を粗末にした人は、鬼に口ちぎられます。
自分が行った行為、つまり自分自身(鬼)の手によって痛めつけられるのです。
悪い行いは、自身を鬼に育ててしまうのです。
だからこそ、現実世界でも分かりやすいよう、鬼が描かれるようになりました。
死後、自分がこのような醜い姿になりたくなければ、自身の手で自分を虐めたくなければ、善い行いをした方がいいですよね!
鬼には5色ある!?
よく桃太郎などの童話には「赤鬼、青鬼」が出てきます。
なんと鬼には5色もあります。カラフルですね!
しかし、一つ一つの色には役割があるのです。
瞋恚
怒りや恨み、憎しむ姿。憎悪の感情は青に該当します。
癡心
怠けたり愚かな姿。怠慢な姿は緑に該当します。
慢心
もしくは白鬼。不平不満の姿。自分の甘さ等も黄(白)に該当します。
疑惑
疑ったり愚痴をこぼす姿。信心が無い等も黒に該当します。
実はこの五色…人間の根本的な煩悩です。
心の中心近くにあり、意識をしないとついしてしまう悪い心や行動なのです。
鬼は自分自身だとすれば、日々の生活で鬼を育てたくありませんね。
私も地獄には行きたくないと思っています。
鬼は外!福は内!
桃太郎さんは動物たちと鬼を倒しました!
子供の頃は鬼が非現実的で、弱いものに見えていました。
しかし、実際の鬼は自分から作られているのです。
「人の陰口は鬼が運んでその人の所まで届く」
そんな例え話を聞いたことがあります。
豆まきは、1年「マメ(元気)」でいられるようにお願いするのと、良い行いを邪魔する鬼を撃退させる行事です。
今年1年、心も体も健全で過ごしていきたいですね!
機会があれば、有名な鬼さんについても記したいと思います。
小僧合掌
貪欲
欲張りや貪りをした姿。大体の罪は赤に該当します。