頭陀袋064 平成29年10月号

人生の旅も変化がある方が味わい深い

長野県塩尻市の曹洞宗無量寺東堂 (前住職) 青山俊董(あおやましゅんどう)師は曹洞宗の大教師として尼僧教育に努められ八十二歳の今もご活躍です。

今年九月、海竜社から出版された単行本は素晴らしいことが たくさん書いてあるのでまとめ買いをして親しい仲間に施本をいたしました。その内容を一分紹介いたします。

亭主関白だった御主人を亡くされたMさんがしみじみいった。
「主人のいるうちはこんなわがままな亭主はいなくなったらさぞかし楽になるだろうなあと思いました。ところがなくなってみて初めてこんなに風除けになってくれていたのかと、遅ればせながら気づかせていただきました。毎日お線香をあげては主人に詫び、また感謝しています。」

月も雲間があったほうが楽しいよう に人生の旅も変化があったほうが良い。愛する日あり、憎しみあう日もあり成功して天にも昇る思いになったり失敗して谷底の沈む思いになってみたり、生まれた喜び、死んだと嘆き、おかげで七十年、八十年、退屈することなくすごさせてもらうことができる。月と雲と、空とそして地上の山やススキと、全体が一つの視野の中にあるから美しくまた楽しいのである。人生の景色も愛の時は愛にのみとらわれ憎しみに変わったら憎しみのみで他が見えなくなってし まうと楽しくない。愛と憎しみとは一つのことの裏表。「こんなに憎らしいのはこんなに愛している証拠」一方の姿にとらわれず常に全体の展望ができる目の高さを持って生きることができたら人生の味わいは深いものになるでしょう。

お寺からのお知らせ

ことしの秋の彼岸総回向法要は、下岡本町 和合会物故者法要、恩林寺門前おやじ会、檀家様の年忌法要などが重なり、彼岸中、夜座を設けお寺だけで祠堂回向、永代経供養、三十三観音参拝者各位の先祖供養をさせていただきます。

黄檗宗管長近藤博道猊下御親修

ご本尊聖観世音菩薩奉賛法要について 管長猊下はかねて末寺の活性化のためよりたくさんの末寺を訪問し、檀信徒の皆さんにおあいしたいとのご方針から就任以来、積極的に地方の末寺の御親修をされております。
この度骨山、恩林寺にお運びいただける こととなり、来る十一月十一日午前十時ご本尊聖観世音菩薩奉賛法要をお勤めすることとなりました。檀信徒様のご参加をぜひともお願いいたします。
恩林寺ご本尊は昔、黄檗山萬福寺聯灯堂の秘仏でありましたが直翁管長の時代に下付されたというご縁があります。

頭陀袋第六十四号について

先日、森下町の寺脇さんから電話がありました。「和尚さん、頭陀袋は六十一号が二枚もあるよ。」とのご託宣。
坊さんは名前の通りボーッとしておりました。つまり今回は六十四号にあたります。
ごめんなさい。

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古田住職
皆さん、こんにちは。住職の古田正彦といいます。 私は「お寺に行こう 和尚さんと友達になろう」をキャッチフレーズに進めています。 小さなきっかけでも仏様と結ばれることを喜びとしています。