人生三つの生き方
私たちの大先輩の布教師、服部祖承老師の著書に人生には三つの生き方がある。ということがありました。
大変味わい深いはなしでありますので、要旨のみ紹介いたします。
まず初めに蟻のような生き方。(食べるために働き、生き延びるだけに働く)
食べられるものならトンボのしっぽ、ウジ虫、なんでも巣の中に持ち込みます。生きるためには恥も外聞も考えない。
次には蜘蛛のような生き方。(労少なくして功多し)
欲望的、打算的な生き方です。雨が降ろうが風が吹こうが巣のど真ん中に座り込んで獲物がかかるのを待ち続けます。入学試験は努力するがいったん合格すれば勉強や努力をやめてしまう。宝の持ち腐れ功利的な生き方です。
三つめは蜂のような生き方です。
ミツバチはこれは、と思う花から蜜を吸収し自分の能力いっぱいにはちみつを創造るのです。
私たちはこの三つのうち、どこに属するでしょうか。人間はだれしもこの三つの要素を持っていますがどこに比重がかかっているかで人の価値に差が出てまいります。自分の一生は後戻りのできない一度きりのもので、他者とのかかわりを自覚した実践の生活であります。こうして私たちは親になり、親の生きざまが子供の内容を作るのですから、おおきな責任がかかってきます。
ローソクがローソクとして燃えてローソクの真実を成就するように、そしてその燃え尽きるまでの道すがら周りを明るくしているように人間も間柄を自覚して生きる事こそが父として、また母としての生きざまであり人間の真実の生き方でありましょう。
住職合掌