ミカンが大好きな恩林寺の小僧です。
冬に食べたくなる食べ物といえば…
そう、段ボール箱入りのミカンです!
寒くなるとコタツの上で剥いて食べたくなりますね。
今回は第六夜と第七夜についてお話いたします。
長いお話になりますので、みかんを片手に読んで頂ければ幸いです!
臘八示衆 第六夜
昔、臨済宗の宗祖、栄西禅師が宋(中国)に入国した時、胆嚢炎を患ってしまいました。
それを聞いたある老人がお茶を飲ませたところ、治ってしまいました。
お茶にはそのような人を癒す効果があるのだと知った栄西は、宋からお茶を日本に持ち込みました。
師匠である明恵上人にも渡し、宇治に植えたそうです。
これが、現在有名な宇治抹茶の始まりとされています。
「良薬は口に苦し」といいますが、お茶も苦い物の一つです。
飲むと目が覚めやすい効果もあります。
明恵上人は、「お茶は眠気が覚める。修行者はお茶を飲んでしっかり座ると良い」とお話されたようです。
だからこそ、禅の世界はお茶と密接しているのです。
文冥和尚の例え
しかし、ただお茶を飲んで修行するだけではいけません。
例え長年修行をして一人前になったとしても、地位や名誉に溺れていては話になりません。
勇往邁進、どんなことがあろうと仏道を目指さなければならないのです。
白隠禅師の弟子に、文冥和尚という方がおられます。
その方は90日間、叩かれ蹴られ怒鳴られても参禅(禅問答)をしたようです。
嫌なことをされたにも関わらず、恨みは一つも無く、感謝を述べて下山しました。
仏道に一心だからこそできる行動だと私は思います。
臘八示衆 最終夜
ある母親が子供を授かることになった時、「どうか男の子が産まれたら出家させてください」
と頼みました。
するとある老人が現れ、「私は貴女の祖先である。今の貴女の願いが地獄にいる私たちを救ってくれたのだ。ありがとう。」といい、消えてしまいました。
時は経ち、産まれた子供が男の子だったため、僧堂に入ることになりました。
良山和尚の話
そして母親は亡くなり、その小僧さんは良山和尚と呼ばれるようになっていました。
臘八の最中、弟子たちと坐禅をししていると、亡くなった母親が、刀で脇腹を刺してきました。
良山和尚は、血を吐いて悶絶してしまったが、しばらくして蘇生しました。
良山和尚は、弟子に一旦別れを告げ、行脚をしました。
野宿しては坐禅をし、多くの修行をしたそうです。
ある晩、深く座っていると、またもや目の前に母親が現れました。
こう、母親は話して消えていきました。
白隠禅師の話
この話を禅堂に向けて、白隠禅師はこう説いています。
このように君たちのチカラを必要としている人がいる。
人間界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界、そして天界。
輪廻をして苦しんでいる人がおられるのだ。
その人たちは君たちが真の出家になることを望んでいる。
月日はあっという間に過ぎていくぞ!
さぁ時間を大切にして座禅をしなさい。
いかがでしたか?
白隠禅師が禅堂の修行者に向けて話した内容が書かれていました。
分かりやすい文章に直しましたが、こちらは話し口調で書かれています。
◯◯せよ!◯◯しなさい!と皆に説いているのです。
私のお気に入りは最後のお話です。
自分の出家という立場の意味が、心に響き渡りました。
立派ではありませんが、より多くの人を笑顔にできる僧侶を目指して行けるよう精進していきます!
小僧合掌
者の母親だからと、鬼たちは何もしてこなかった。
しかし、真の出家では無いと判断され、俗物の母親だと非難され拷問にあわされた。
だからあの晩にお前を刺したのだ。
しかし、今のお前は心を静め、自分が見える状態になっているのではないか?
私は苦しみから解放され天国へ行けることを許されたのだ。
だからお礼を言いに来たのである。