【第二章 四節】寝不足生活

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失敗

萬福寺では七月中旬に施餓鬼法要と盂蘭盆会が三日間、開催されました。
大きな法要で準備で大忙し…そんな時に限って失敗をしてしまうのです。
私の同夏(修行仲間)が塔婆立てを壊してしまったのです。
これだけでは終わりません。
施餓鬼壇には青い竹を飾り付けるはずが、早めに切りだして枯らしてしまいました。
普段から怒られてばかりの私が、先輩や和尚に怒られている同夏を見るのは、とても新鮮でした。
しかし、私も大きな失敗を犯すことになります。
法要が始まると、近くにいた和尚が耳元で「他に木魚のバイ(叩く棒)はないか?」と訊かれました。
準備した段階からバイにヒビが入っていたのです。
案の定、法要後に同夏の眼の前で、しっかりと怒られてしまいました。

同夏から「字が上手い」と高評価を頂き、警策(叩く棒)や塔婆に書く字は全て任されました。
法要で読み上げた塔婆の中に私が書いたものが多くあります。
ただ、自分が書いた警策で打たれるのは気持ちの良いものではありません。
法要後にはコロナ禍も多少落ち着き、托鉢行をさせて頂けるようになりました。
初の放参(休日)で外出しても良い日も頂戴しました。
境内より外の新鮮な空気が心地よかったのを覚えています。

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恩林寺の小僧さん
檀信徒の皆さんに『一休さん・小僧さん…』様々な愛称で呼ばれております、鳳雅禅士です。「一日一善」を心がけながら、日々精進していきます。感謝・合掌。